構造、構造計算、耐震、等級 

新潟の家 べた基礎の設計 配筋 構造計算

今日は少々専門的な事なので興味のない方は読み飛ばしてください。
今年のこのブログへの検索ワードで「べた基礎、配筋」というものが多くなってます。これは所謂、瑕疵担保保険がスタートし、原則全ての住宅がこの保険に入る必要があり、そのときの条件においてべた基礎の場合「構造計算」または「標準配筋表」または「設計者の工学的判断」のいづれかでなければいけないからですね。
新潟県は全域で多雪区域にはいるので、短辺3m以上あるスパン基礎区画はダブル配筋という配筋になります。このコスト増になるダブル配筋を嫌って「構造計算」をして少しでも安価に安全性を確保しようとして設計者が検索しているのではないかと想像できます。Dscn7119

さて木造住宅における構造計算書のバイブル本(建築主事が必ず了解する本)として上写真の「許容応力度設計」があります。当方もこの本に添って構造計算します。最近この本の最新版がありまだ入手してませんが、ほぼ同じ内容なので機会があれば入手する予定です。

さて、本題はここから。
あるウェブサイトを見ていたら、「木造2階建て、ロフトあり、重い屋根、積雪1mそして短辺4m区画のべた基礎」でシングル配筋D13@200 厚150で通常問題ないか?と質問に対して、大丈夫と返答している構造系サイトがありました。当方のブログやオーブルのHP上のコラムで不可としています。さて本当に問題ないのでしょうか?

991_2_2 まず許容応力度設計の本に記載されているべた基礎スラブの計算方法は、赤丸の4つの境界条件があり、外壁部はピン支持です。

住宅くらいの大きさではスラブ配筋は一様に同じ間隔で施工したほうが効率が上がります。簡単な配筋設計は、この表の「あ」と「い」が一番大きな力がかかることがわかり、ここを満足すればどの部位においても満足することが直ぐわかります。つまり4ピン中央部と2隣辺ピン側端部のチェックだけです。
冒頭の瑕疵担保保険で推奨されるチェックは4ピンと4辺固定の両境界の最大応力でチェックしなさいとなってます。
さて図のとおり2隣辺ピンのほうが4辺固定より応力が大きくなるのに、なぜ4辺固定でよいのでしょうか?多分シングル配筋を想定しているからだと推測できます。つまりべた基礎スラブ厚150mmでD13でシングル配筋で中央に配筋すると、下から60(かぶり厚)+13+13+64=150となり、上下モーメントに対し同じ効果が期待できるからと想像します。
この時60のかぶり厚で、通常の計算ではここは70mmとすることが良識です。60mmというのは法律で定められた最低寸法で、施工時人が踏んだりするスラブ配筋は10mmの余裕を持っていないと60mmのかぶり確保は難しいからで、計算では70mmの安全側に見ます。大事な事はかぶり厚は最低でも60mmで上下モーメントのチェックすることです。決して中央だから上引っ張りモーメントで上配筋のかぶりの40mmとしてはいけません。40mmとするからにはダブル配筋か中央部だけ配筋位置を変える施工となります。
そして端部だから4辺固定の境界条件で、中央部だから4ピンの境界条件でもだめです。先ほどのバイブル本「許容応力度設計」では2隣辺ピン=外周部と明確に条件付けされてますので、もしスラブ厚150mmで、4ピンと4辺固定だけでチェックする場合、端部、中央部でかぶり厚を変えてはだめです。あくまでも両方の最大応力で端部、中央共にクリヤーです。

さて実際4mスパンのべた基礎の計算しましょう。
木造2階建て、ロフトなし、重い屋根、積雪1m、軒の出有りでスラブ算定擁分布荷重ω1が通常10KN/m2程度(性能表示マニュアル)です。無論外壁部ありです。

Lx=4 Ly=4  配筋D13 境界条件 4辺ピン(2隣辺ピン)>4辺固定
t=15、かぶり厚70 dt=7 中略
σex=(Ly^4*ω1)/(Lx^4+Ly^4)=5KN/m2
Mx2=ωx*Lx^2/8=10KNm at=7.33cm2/m
l=127/atMax=17.34cm→15cm  D13@150以内
      
仮にかぶり厚60のdt=6でも
l=127/atMax=19.50cm→15cm   D13@150以内
ですね。
(その他Lx/30等、ヒビの配慮も必要)

この計算はあくまでもロフトなしの10KN/m2以下のものです。塗り壁が多い場合や、軒の出が大きい場合は簡単に10KNを超えると思います。お気をつけください。
あっ、
当事務所「緑の家」の基礎の立ち上がりは一般の基礎の1.5倍以上の重さがありますからω1=12KN/m2位になり、@120以下になることがよくあります。@100以下の場合はダブル配筋ですね。

上条件で良識ある構造計算では「シングル配筋D13@200 厚150」は不可です。だから積雪地の配筋表ではダブル配筋等が標準と明記されるのですね。無理をしてはいけません。

住宅の基礎外周部のスラブ境界条件で実際固定度Cが0.1があると考える方もいらっしゃると思いますが、バイブル本にないことは、しっかり裏づけが必要です。

もし何方かご覧になられて見解の違いがあればご指摘ください。

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新潟の家 超断熱の家。長期優良住宅の着工です。

本当は8月着工だったSSプランの長期優良住宅が、ようやく着工となりました。この遅れはひとえに当事務所の詰めの甘さによるものです。この場を借りてK邸の建て主様にはお詫びいたします。遅れた原因は、予定金額と見積もり金額に差(6%強)がでたためです。その調整に時間を費やしてしまいました。本格的超断熱のSSプランの最初とはいえ力不足です。

予定通り長期優良住宅認定では何も問題がないのですが(太陽光パネルの重量が意外と効いた)、とにかく書類の枚数多さだけは閉口します。コピー用紙1500枚くらい使った気がします。これは構造計算書だけで150ページ、気密断熱計算書20ページ、他書類10ページで計180枚と図面A2-15枚を5部用意します。構造計算書は一項目でも指摘があると全部取替えで、一度屋根荷重の見解が審査機関と違い取り替えました。最近太陽光パネルが結構採用されますが、この屋根荷重を皆さん構造計算で入れてますか?耐力壁一枚分くらいになりますよ。

長期優良住宅の審査をする新潟県建築住宅センターの担当者にお聞きすると、7月末現在では一軒も合格していないとの事。昨日のブログでは新潟市のでも10棟くらいの審査が済んでいるのでたぶん他の機関で申請したようです。新潟県建築住宅センターの申請の全てが「構造の安定性の項目」で水平剛性(床や屋根の強さ)で勘違いやミスをしているとの事。やはり構造性能表示の等級2はなかなか理解されていないようです。水平剛性は耐力壁の区画とともに考える家の耐震性の重要ポイントです。当事務所は全て等級2で計算しており、多少の吹き抜け、大きな空間も等級2で全て可能です。この等級2は長期優良住宅の性能では最低レベル耐震性であり、広いプランが必要だから少々床が弱くても等級1が良いとは、技術者と建て主さんは考えません。ただ等級3になると少し大きな吹き抜けは耐力壁区画に注意が必要ですので一考ですが・・・。
Sdim4952 さて、この度のSSプランの長期優良住宅は
なんと、何と、耐震等級3(最高値)です。scissors
しかも1階は25帖の広い空間があり、吹き抜け約6帖もあります。これで等級3が取れるのはやはり最初から構造を念頭に考える設計事務所のプランだからだと自画自賛です。
さっ、更にQ値0.98W/Km2(次世代断熱基準の3倍)
 で性能評価を取りました。もうこれはすごい家です。開口部は大手メーカーや建築会社にありがちな付属断熱(ハニカムサーモや障子)に頼らず、実際の日常生活どおりのサッシのみで達成しております。この超断熱はKさんのご要望ですが、更にKさんは太陽光パネルまで設置する予定です。そして極めつけは排熱利用設備室がある高基礎1.4mの家で床下暖房と超軟水器によるる洗剤軽減!!!!
もう自立循環住宅のお手本のような本当にすばらしい性能の家です。こんな家に私も今すぐ住みたいです。
まだまだあります。内装はほとんど天然系素材になる予定です。壁は化学物質添加なしの漆喰塗り、床はいつもの国産ヒノキ無塗装、窓枠は国産杉無塗装、玄関シロアリフリー構造です。
長期優良住宅補助金対象で上棟後の構造見学会が義務付けられておりますので、たぶん10月の中ごろ行います。場所は新潟市鳥屋野です。ぜひ「30年後の標準」の家の性能を見に来てください。お待ちしております。 o(_ _)o

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新潟 自然素材の木の家 見学会です。見るツボは?

Sdim6691 当事務所は12年も前から無塗装の木の床や戸を勧めてきましたが、ここ数年、自然素材を大事にする建設会社やハウスメーカーも多くなりました。ではどこが見学会のツボなのか?

最初は「構造に根拠があるか?」です。

上の写真は今回の見学会の2階です。左上に×のような構造が見えますね。これは、小屋スジカイというれっきとした構造材です。法律では木造住宅の小屋には小屋スジカイ、雲スジカイ(ふれ止め)を設けなさいと記載されています。

上の写真のような小屋組み構造(梁)が現われる家は多くなりました。その多くが自然素材を多く使った家と宣伝されております。しかしこの×ようなふれ止めを見ることは少ないです。法律ではきちっと入れなさいと書かれているのに、根拠がなく省略することは法律違反です。根拠とは・・・国土交通大臣が定める基準に従った構造計算のみです。見学会に行かれたらじっと小屋を見てください。そしてふれ止めが見当たらない場合は、「小屋スジカイはどこに入ってますか?」と聞いてください。

自然素材を強調するメーカーは、構造までしっかりと把握しておらず、見た目だけのところが多いです。そして説明を求めると、「大丈夫です。昔ながらのしっかりした工法です。」という意味不明な事を言います。どこがどのようにしっかりしているのでしょうか?法律の条文にそっていない場合はその根拠が重要です。「昔ながらの工法」で建てた神社や寺が完全倒壊した中越沖地震を忘れてしまったのでしょうか?

昔ながらの工法(柱が太い、梁が大きい)では全く地震に強いという根拠になりません。だから地震等級2を取得できないのでしょう?

形あるものは全てバランスが重要です。自然素材だけOKでは家の最も重要な安全性が欠落している恐れがあります。特にここのブログで説明した家は、危険な車庫上の居室に最近さらにロフトらしきものが付いてます。車庫の両脇の小さな壁(45cm)は大建のダイライトを貼ってましたが、ダイライトの標準施工では、91cmの壁がないと構造壁となりません。特にこの基礎工事も見ていましたが、この大開口部なのに地中梁もありませんでした。本当に怖い新築です。_sdi6032

この写真は前の見学会の家です。しっかりとふれ止めがありますね。

次のツボは、この次のブログで。

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自然素材と住宅、そして新潟での性能(設計 評価)

オーブルデザインでは、自然素材(天然素材)と性能の高い住宅を11年前からお奨めしていた。特に性能の内容は、安全性の要「耐震性」と快適性の要「高断熱高気密の性能」、長持ち住宅を示す「耐久性=劣化対策と維持管理対策」の3つが最重要である。

Dscn5745耐震性は、住宅性能表示で定める「等級2」が「緑の家」の最低基準としている。巷の他メーカー住宅は、以前のブログでお伝えしたとおりほとんど等級2を取ることは難しい基礎形態。「この建物は地震に強い」と口ではなんとも言えるのだろうけれど、この住宅性能評価ではごまかしは聞かない。そんな重要な住宅性能評価であるが、その新潟県での審査機関の最大手(県内ではほとんどの木造軸組み住宅がここに申請する)の窓口担当者は、なんとこの制度が始まってから数件しか申請がないと言っていた。※当事務所はたて続けに2棟申請し、当然のことながら構造の変更無しに「等級2」の評価頂いた。ちなみに等級2とは、「数百年に一度、極めて稀に発生する地震力の1.25倍によって、倒壊、崩壊しない程度」であるから、中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す。

快適性の指標となる高気密高断熱も、Q値2.0W/Km2と最高基準の「等級4」の更に25%も良い性能のお墨付きを頂いた。まあこれは当たり前。

耐久性は「劣化防止対策」と「維持管理対策」に分けられるが、いずれも「緑の家」の標準仕様で最高等級の「等級3」の評価を頂いた。この等級3は、3世代(90年)までは簡単な通常メンテナンスで維持可能という評価である。また、寿命が50年以下である建物配管類が、簡単に維持管理できるという評価。例えば配管類が床下で全て露出し、基礎内(下)に埋め込まれないなど。

ここで重要な事は、性能評価に申請した家が、いつもの「緑の家」であって特別な仕様ではないこと。←ここがポイント

最近は自然素材が流行しており、ネコも杓子も天然素材や自然素材を提案している。無論「緑の家」も多くの天然素材で造られるが、かといって他の性能が間引かれているわけではない。何事も先ずはバランス重視で、仮に家造りの重要性の順番をつけるなら、「耐震性」→「耐久性」→「快適性(高気密高断熱と天然素材)とコスト」の順番だろうと思う。やはりどんな建物でも安全性が一番重要。

※・・・耐震等級2で許容応力度による審査申請。

私の解釈であるが、設計の性能評価を受けると、仮に地震に強いと宣伝していたのに、耐震性の評価が「評価1」であると大変な問題となるのがわかっているため。また建て主さん側も、この工務店の社長さんが「地震に強い」と言っているのだから間違いないだろうと、良い方向に考えてしまうため。オーブルデザインでは年間10棟程度。しかし中規模以上の工務店さんは数多くの建物を建てるだろう。その中で年間にひとつ位は、性能評価を受けてもよさそうな気がする。

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このべた基礎ではだめでしょう!!

このブログは、どちらかというと建て主さんより建築関係者が見ていることが多い。きっと「オーブルデザインは今度はどんな事を暴露するのだろう」と思っている人も多くいるのではないかと思う。暴露といえば

1999年の「釘がでたらめ」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/13.html

1999年「ヒノキは白蟻に弱い?」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/19.html

1999年の「冬に室内で洗濯物を干そう」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/09.html

2004年の危険な法律違反

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/61.html

等まだまだたくさんある。どれも今考えると当たり前に守るべき基準であるが、当時は「そんなのどうでもいいじゃない?」という意識ではなかっただろうか?

そんな中でどうしても声を大にして申し上げたいのが、「べた基礎」である。このべた基礎は、最近の新潟県では基礎工法の主流である。しかしまともなべた基礎は少ないと考える。当HPでも昨年指摘している事がこれ!!

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news2007/08_23.html

べた基礎は、底板と呼ばれる基礎の底全てを使って重量を支える工法のため、特にこの底板の周囲区画(基礎立ち上がり)が重要であるはず。今後業界の標準となるであろう「財団法人 住宅保証機構」の登録住宅では、原則としてべた基礎の場合は構造計算で基礎構造を決める。それ以外は上のリンクで紹介しているところで説明している表によらなければ、登録受理されない。ところがこれが新潟県では著しく守られていないと感じる。なぜなら下のようなべた基礎の写真が、メーカー問わずほとんどチラシに載っているから。べた基礎の周囲は、通常基礎立ち上がりで囲まれていなければならない。例外として人が床下メンテナンスとしてとおるところ(人通口)は、巾50cm以内であればスラブ補強でOKとなる。しかし写真の人通口は、巾160cm近くある。このような人通口の巾のある基礎は、良好な地盤の布基礎の時に行う計画である。加えて短辺の区画距離が360cm程度あるので、通常はダブル配筋がでないといけないのに、メーカー問わずほとんどチラシにはシングル配筋で表記されている。数年後これが発覚したとき、「財団法人 住宅保証機構」はどうするのだろう?とくに昨年から設計図の保持期間は5年から15年と改正された。15年間はもう図面(構造計算書も同様)がもうないという言い訳はない。第二の姉歯事件に進展しなければいいが・・・。

実は、この基礎を検査をする人が一番問題なのだが・・・。これはブログ07年11月01日に記載されている。

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写真はあるチラシから。このメーカーだけが悪いのではなく、県内全般にこのようなべた基礎?である。

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