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2016年7月14日 (木)

国の低炭素建築のプログラムで・・・

976765ほぼ国の最高研究機関となる建研のホームページ。

現在の省エネ法で定められたプログラムが定期的にバージョンアップしているので時々覗くようにしております。今回は28年の省エネ改正が反映されているかを見に行きました。

そこで大変驚くべき項目があることに気づきました。

97643プログラムに入ると・・・

国立研究開発法人建築研究所のホームページ左のセルにある省エネ基準 認基準プログラム欄から飛んで、ソフトを開くと上の計算ソフトが立ち上がり入力項目が表われます。

このプログラムは低炭素認定やその他公的認定に使われるソフトプログラムですが、改定がこの4月に行われバージョンが1.ーから2.ーになっております。

赤い枠に注目してください。

これは、

「床下空間を経由して外気を導入する換気ですか?」

という設問で、こちらをクリックすると消費エネルギーが削減されます。注意書きには熱交換型換気扇との併用削減は出来ませんとあるので、生の外気が入ってくる想定の質問です(全熱交換後のSAではない)。

うーーーん。これは危険・・・。

床下空間は屋外に比べ夏は温度が低く、冬は温度が高いので熱交換のようなエネルギー削減が見込める事はすばらしい事です。しかし・・・長い目でみると(最近とても拘る時間軸の変化)、床下に生の外気が入ることで「カビ」の心配が一気に高くなります

これはまずいです。数年から10年は素材の防かび成分が頑張りますが、徐々にその成分がなくなったり、埃・チリをかぶることで床下内にカビが増殖する環境が整います。ホウ酸で大丈夫とのご意見もありますが、ホウ酸が守る素材の上にチリがつもりそこからカビが生えると想像出来ます。

この事は省エネからみるときには関係ありませんが、家全体の事から考えると・・・

家のオーナーさんはNGと考えるのでは・・・。

夏は外気の方が基礎断熱内より露点温度が高くなり(湿気の多い空気)その空気が床下にはいれば結露は拡散で免れても高湿度環境になります。夏の高湿度環境は直ぐに(3日間)でカビの発芽につながり、大増殖のきっかけを作ります。

裏付け資料として下の実測を載せます。これは3日前から今日までの柏崎市のM邸の実測データーです。M邸は次世代基準断熱程度で、通風によって夏を過ごす典型的な住宅で、更に基礎断熱工法で、基礎換気口を開け閉めできる家です(エアサイクル工法)。現在はその換気口は閉めております。

976342グレー部分が余剰水分となり結露の危険性がある。無論床下内のRHは90%以上となる。

夏季は外気の露点温度の変化も激しく、外気温が上がると空気中の湿気も増える事が多いですから上のようなグラフになります。

床下空間を経由して外気を導入する換気は、北海道では少し前から行われていますが、北海道で大丈夫だから本州以南もOKとはならないのが日本の気候です。この改訂はバージョン1.-の方の履歴をみると昨年の秋に入った項目らしいです。

この項目のことを本州以南で行う事は・・・少し、いや大変抵抗があります。

これは建研さんに意見を申しあげるのではなく、設計者が立地環境を把握してどういった換気方式にするかを考えればよいだけで、本州以南であっても長野県の高地なら問題ないでしょう。

このような設計の判断こそ建築士の本質です。

PS
なぜ20年以上も前から何度も試作されているクールチューブが本州以南では殆ど採用しされないか?・・・それは直感でわかるのです。管の中が「汚くなること」を・・・。


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