« 例え車庫であっても構造は大事 | トップページ | 大手ハウスメーカーの社会的責任2 »

2016年7月 7日 (木)

大手ハウスメーカーの社会的責任

新幹線内での投稿なので後で訂正があることをご承知おき願います。
Dscf1919_2
 
超高断熱住宅が本州で認知されるようになりましたが、その超高断熱住宅の大手一条工務店さんが、今年になってから従来北海道で提供してきた超高断熱住宅を全国で一斉に販売し始め、その反響が小さな地方の設計事務所である当方にも聞こえております。
性能的に文句のつけようのない窓や壁の仕様ですが先日もお伝えした通り、その一条さんの商品広告方法にちょっとまって!と思われる旧Q値表示ではないか思われる数値があります。
少し独自に検証してみたいと思います。
 
このHP上に記載されたQ値を仮に今の法で定められたQ値だとすると
Q値0.51の時、換気の損失定数0.42をひくと 0.09となります。
一般的な家の大きさを40坪としたときに、Q値が一番有利になる総2階建て正方形の家だとするとその外皮はおおよそ300m2となりますが、0.09の床面積を先ほどの40坪と条件をそろえてUa値とすると
Ua値は0.04w/m2Kとなります。
これを一条さんのホームページに記載されているUa値と比較すると
一条さんUa値0.2w/m2kに対しUa値は0.04w/m2kですから1/5倍となり間違いなく現在の方で規定されたQ値の表示ではありません。
では一条工務店さんの換気扇の顕熱交換率を90%として、見かけの換気回数ではなく巷でよく間違う単純に100-90%=10%として換気による損失を定数の10%にすると
0.51-0.042=0.468w/m2k・・・これを同条件のUa値にすると
なんとHP上で表示されているUa値0.2w/m2kとなるのです。 ^^) _
これって見かけの換気回数も使わない・・・ダブル偽装?
 
これにあの三菱自動車の燃費表示偽装と何ら変わりないように思えるのは私だけでしょうか?
Q値は既に新しい規定で表示しなければ建て主さんへの情報表示としては間違っているし、もしわかっているいるのにこの表示をトップページに表現するなら、これは故意に
間違った表示で自社に有利になるように偽装したあの車燃費偽装と変わりないでしょう。つまり今のQ値より明らかによい性能になる旧Q値では比較できないばかりか、換気による熱損失も都合のよい数値にする事ができます。戸建てトップの積水さんを始め
他の大手さんは旧Q値表示はありません(見た限り)。
業界2位のこの大手さんはその消費者への影響力が大きいので法遵守を徹底して、中小建築会社のお手本になるように願いしたいと思います。

|

« 例え車庫であっても構造は大事 | トップページ | 大手ハウスメーカーの社会的責任2 »

家の論評、業界裏話」カテゴリの記事

コメント

一条はハウスメーカーの中では頑張っているのはわかるのですがいかんせん節操がないのが問題ですねぇ…
税金にしても常識の範囲から逸脱して節税してますし。浜松市民としては防潮堤に300億出すならきちんと税金を収めて欲しいですね。
まぁ燃費偽装以前に他の大部分のハウスメーカーは燃費すら表示しないクソ企業しかいないのでこれでもかなりマシですが。
一条を悪く言うならば他のゴミハウスメーカーは100倍悪く言うべきですね。
本当にひどすぎます。

投稿: N | 2016年7月 7日 (木) 12時19分

N様

コメントありがとうございます。

>防潮堤に300億出すならきちんと税金を収めて欲しいですね。

税金のことはわかりませんがこれだけを見るととても凄い企業ですね。そこは素直に尊敬出来る企業です。

>まぁ燃費偽装以前に他の大部分のハウスメーカーは燃費すら表示しないクソ企業しかいないのでこれでもかなりマシですが。

これは多少考えが違って、新Q値(UA値)を表示しないことと、旧Q値なのにQ値といって表示することを同等には評価出来ないと考えます。建物は一棟一棟性能値に違いがあるので他大手メーカーは「次世代基準をクリアーした断熱性能」との記載があり、それには虚偽疑惑はないと思われます。

されど様々な評価、見方ができることは間違いなくN様のご意見には「なるほど」と思います。

投稿: オーブルの浅間です。 | 2016年7月 7日 (木) 16時14分

http://hmk-polaris.seesaa.net/article/191414040.html
一条の税金に関しては上記サイトがわかり易かったです。
しかし一条はユニクロとかぶ理ますね
・抜群のコストパフォーマンスによる躍進
・売っているものは悪くないもののブラック企業
ユニクロは役目を終えた感がありますが、一条の問題点は他に対抗する企業が全くないことですね。
他のハウスメーカーの場合カタログでわかるレベルで商品があれですので

投稿: | 2016年7月 7日 (木) 18時12分

数値化することに意味があるかどうかが分からなくなって来ました。

①壁と天井の断熱材の厚み
②サッシの種類、ハニカムや日射取得・遮蔽などの工夫の内容
③熱交換換気の有無、性能
④家の形状
⑤C値

なんかもう、この辺が分かれば、
Q値やUa値なんて計算してもらわなくても
全然構わない気がしてきました。

投稿: お隣さん | 2016年7月11日 (月) 07時18分

お隣さん
ドイツ並みに断熱気密の周知と施工、性能の徹底があるなら別ですが、積水大和と業界2トップが一番ゴミなのを考えると数値による規制のためにも必要かと。
岩山健一さんではないですが一日でも早くハウスメーカーには消えてもらいたいものです。

投稿: N | 2016年7月11日 (月) 10時05分

お隣さん 様

>なんかもう、この辺が分かれば、
Q値やUa値なんて計算してもらわなくても
全然構わない気がしてきました。

上級者はそのとおりです。
コストパフォーマンスを考慮した上で、温熱性能があるレベルまでいくと、そのように考え、それから先は住まい方とメンテナンスが善し悪しを決定します。

ただ数値は造り手と住まい手の約束を行政も含めて単純化する為のものですから必要でしょう・・・か。

投稿: オーブルの浅間です。 | 2016年7月12日 (火) 10時49分

この記事へのコメントは終了しました。

« 例え車庫であっても構造は大事 | トップページ | 大手ハウスメーカーの社会的責任2 »