法律を守るためQ値表示止めませんか?
Q値・・・熱損失係数
住宅に興味が有る方なら必ず聞いた事がある言葉でしょう。
言葉には定義がなければ意味が無いばかりか、間違った認識をする事で建て主さんに不利益をもたらす事があります。今回はこの旧Q値はもう使う事を止めませんか?という提案です。
Q値とは熱損失係数で、建物の断熱性を示す数値です。単位は W/(m2K)で、
断熱された空間とその外部で一度の温度差があったときに、床面積1m2あたりどのくらいの熱の移動が発生するかを示す数値です。
Q値とは自動車で考えるとまさしく燃費表示に近い感覚の数値と言えるでしょう。
この数値の定義が変わることは以前3年前のブログで紹介しましたが、未だにこのQ値の定義が変わったことが浸透しないことが不思議でなりません。
当事務所を含めた中小企業のHP等にその表記がまだのこっている事はやむ得ませんが、大企業、また力のある団体、大きな影響を及ぼす団体がQ値の定義を、廃止された従来のQ値で換算しているのは?です。
現在のQ値の定義は・・・
この本でのP192 でQ値は定義されております。
式からわかるとおり換気による熱損失は定数0.42です。定数ですから使う換気装置に左右されませんので難解な熱交換型の換気システムにおける計算間違いがなくなります。また年々変わる換気扇熱交換方法に左右されませんから、建築主に大変わかり易いです。
おる大手ハウスメーカーさんのHPで今年の新商品ではこのQ値が示されておりますが、・・・Q値0.51W/㎡・K・・・どう見ても現在のQ値ではありません。
それはこの表示されたQ値から換気定数を除いた数値にすると0.09w/m2K これは熱損失計算をしたことのある人ならわかりますが・・・あまりにも低すぎる数値で、窓を一切設けないでU値が0.1以下の外壁だけならば可能ですが・・・(窓U値は桁が違いに大きい。5層ガラスでも0.5が最高値)。
そもそも低酸素住宅やZEHで審査される数値はUA値でありQ値ではありません。
法律上(指針・解説)を含めたQ値の数値根拠が現時点で変わったのに、以前の適当なQ値計算※は、他の床面積の合計の出し方でも間違いがあるとみなされます。故意に間違った表記なら三菱自動車の燃費と同じインチキの類になります。※・・・熱交換換気は見かけの換気を使うが、全熱交換換気を使用する場合は、キッチンの換気、お風呂の換気、トイレの換気量が不明確。その根拠はここ。
これでは建て主さんが不利益をこうむることなるでしょうからしっかり改善をして頂きたいと思っております。
法を学ぶとき
「悪法も法なり」
とまず最初に学びます。
現在のQ値の規定が悪くても今の基準で表示するのが決まりですからしっかり現在の
UA値か、せめて新Q値で比較表示してほしいと思うことは変でしょうか?法律と違う事が大手を振って行われるから、住宅業界ではおかしな事がまかり通り、法律に添っていなくともOKなんて考えも出てきます。
せめて・・・旧Q値なら旧Q値と表示するべきです(当HPのそのように表示)。
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