隅柱が折れていても大丈夫と言う・・・行政さん
通常私達が確認申請という新築建物の審査を行政にお願いする場合には、釘一本までの規定を当てはめ、要求される事もあります。所が既に建っている建物であれば、木造住宅ではとても重要視される建物4隅にあるこの柱が折れていても、「倒壊の危険性がない」そうです。何という不思議な見解・・・。
この建物の折れた柱は、2年半前に寺泊を襲った豪雨で裏山の土砂が崩れ押しつぶされてしまった柱です。つまり柱の下半分は土砂に埋まっている状態です。この柱だけではありません。他の同じ列に並ぶ柱も折れてこそはいませんが完全に土砂に埋もれております。
こんな状態で2年半も建っているのに、
「倒壊の危険性の無い建物」という長岡市の見解・・・。
専門家としてびっくりしました。
赤い部分の柱の下半分が土砂で埋まっている。既に2年と半年経過しているので白アリが来ている頃。
3階建はただでさえも構造的に大きな強さが要求され、ギリギリで成り立つように計算されて作っているはずで、余力など取れない建物が多い中、この建物は隅の柱が一本折れても問題ないという・・・。
実はこの建物のある長岡市では全国に先駆けて「空き家等の適正管理する条例」を定めており。昨年の春、国も後押しできるように「空き家特措法」が法律で定められ昨年暮れに長岡市で完全施行されております。
しかし倒壊などの危険性がなければ「勧告」もしないそうです。
この建物をみて倒壊の危険性がなければ「住む」ことも出来ると思いますが、この建物を普通に住もうと考える人がいると言う事ですね・・・びっくりしました。
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コメント
特にひどいのは断熱に関してですが住居に関しての行政の対応は他の部分でもなかなかアレですよね。
・耐震等級3は大地震が来た場合倒壊はしないが大規模な修理が必要になる可能性がある。
・気密と換気に関して規定がろくにないため中古マンションなどは軒並み換気不良
・アメリカ等と比べての建築途中の検査のゆるさ。
検査のレベルもまともなインスペクターさんに伺ったところお粗末そのもの
こんなとこでしょうか。
投稿: N | 2016年4月 3日 (日) 06時19分