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2016年2月 8日 (月)

建て替え理由はカビ・・・その⑤ 建築中に虫は入り込む。

Sdim85551高気密C値0.4cm/m2以下の基礎断熱内の虫の死骸(「緑の家」)。

この写真は当HPで12年前から注意喚起している床下内の虫の死骸です。

こんな死骸は多少の差はあれ普通の床下内にほぼあります。この否定は大変難しいでしょう。それはある建築の事情があるからです。

Dscf7905仮置き時に虫が卵を産むこともある。虫には人工物も自然物も同じ。人の感覚で考えない。

上は普通に見られる建築中の写真です。屋外にこれから使う建築資材を仮置きする事はよくあります。これが夏から秋頃だとそこに虫が卵を産み付けて家が完成してから家の中でふ化して床下で死ぬのです。また建築中は窓を開けて作業する方が普通ですがそこから虫が家の中に入り込み、卵を産んでふ化してしますのです。

Dsc07984建築中は虫の出入りは自由過ぎる・・・。

 

そのように入った虫や卵がふ化しても直ぐに死んでしまいますが、死骸は残ります。これを苗床にしてカビは生えダニも発生します。

このように一年ほど時間がずれて発生する虫の死がいも前回ご紹介した

「時間によって変化する原因」

の一つです。決して完成時は小さな卵ですからの普通の掃除では排除できません。

Sdim85431一見綺麗に見えるが見えにくい場所に・・・

Sdim85471おびただしいダ ンゴムシの死骸

だから

「うちの造った家の床下は虫が死んでいないよ」

という考えは?で虫は人の目に触れにくい隅の方で死骸となっており、こんな所まで低い基礎で這いつくばって見られるはずはないでしょう。

そして一番の問題は埃の蓄積です。

こんな人の目の届かないところに新鮮な空気をとおして空調の一部とする事です。「緑の家」もおなじように空調の一部としておりますが、だからこそ・・・

見える化・・・

して何時も清潔かどうか配慮しているのです。

無論・・・

「空気を回していれば埃なんて溜まらないし、換気のルートだから綺麗」

なんて考えも

大変浅はか・・・

です。

きっとよく家を観察した事が無い人でしょう。

Dscf7978時速40km以上になるプロペラ先端スピード。それでも埃は付く。時間軸の原因が考えにくいのだろう。

もし強力な気流さえあれば埃が使いないという人は、換気扇のプロペラの汚れをどのように理解するのでしょう。換気扇の羽先は時速40kmで動いているのに、数年のすれば大変汚れます。汚れ、埃とは必ず蓄積します。どんなに気流があっても・・・。そして気流があればあるほど溜まる場合もあります。

だからこそメンテナンスが大事なのです。

あれっ・・・最終回だと思ったのにまとまらない・・・。

その⑥に続きます。


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カビ 通風」カテゴリの記事

コメント

スラブを打設してから直ぐ雨に当たると粉っぽくなりその後が大変です。水洗いをしてもなかなか落とせません。防塵塗料を塗るにも予算がありませんのでひたすら磨いていた過去を思い出しました。基礎が高いとその点楽ですね。

投稿: 秋葉区の現場監督 | 2016年2月 9日 (火) 08時04分

秋葉区の現場監督様

 コメントありがとうございます。

わかります。
表面ブリージングでしょうか。
元々2度コテ抑えをしないと表面は荒れますよね。
下地ならそれでもよい場合が殆どですが、使うとなるとおっやるとおりの方法となり大変です。

投稿: | 2016年2月 9日 (火) 11時03分

いつも写真を見ていて思うのですが、緑の家の基礎内部は本当にすっきりしています。人通口は幅広ですし。

で、質問が2つあります。
質問(1)
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-183a.html
には写真下のキャプションに「1m高基礎だからできる人通口」とあるのですが、高基礎だと人通口の間口が広く取れるというのはどうしてなのか、調べてみたのですがわかりません。何か考えるヒントはありますか?

質問(2)
これは質問(1)の関連質問です。
地中梁を使えば人通口を減らせる‥‥というところまでは調べていたのですが、
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-684b.html
を読んでいて「ええ、どういうこと?」と思う記述にぶつかりました。

緑の家の重点事項の④に
「基礎を高くすることで、地中梁をなくし地上の梁にすることでコスト削減。」
とあります。

地上梁にするとコスト削減になるのはわかります。
でも地中梁をなくすことに伴うデ・メリットはないのでしょうか?
地中梁にこだわるわけではないのですが‥‥。

ご教示いただけると幸いです。

投稿: 木原 | 2016年2月23日 (火) 21時10分

木原様

>高基礎だと人通口の間口が広く取れるというのはどうしてなのか、調べてみたのですがわかりません。何か考えるヒントはありますか?

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-9c74.html

梁は柱支点間の最小断面で計算します。つまり高基礎1000mmだと、人通口として上から600mm取り去っても400mmのこります。この残りで400mmの梁せいが取れますが、基礎高600mmの普通基礎では上から600mmとると、残りが0なので地中梁を地下に造る事になります。

>でも地中梁をなくすことに伴うデ・メリットはないのでしょうか?

布基礎は元々地中梁はありませんし、べた基礎でも地中梁は希です。

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2014/12/20/p1000400.jpg

この写真右奥が住宅程度基礎で計画する地中梁です。

投稿: | 2016年2月23日 (火) 22時21分

お礼が遅くなりました。

家を建てることになってはじめて、様々な分野の関連業界の方と話すようになりました。業界の方との会話には業界用語と業界語法の習得が不可欠。最初は日常日本語の延長で何とかなるだろうくらいに軽く考えていましたが、どうもそれでは話が通じないことが多い。時間がもったいないので、必要に応じて学ぶようになりました。で、体系的に理解した言葉はやはり通じますし、言葉とともに概念がわかってくることで自分のしたいことがより明確になってもいきます。施主は自ら大工となって家を建てるのでない限り、この世界の「暗号」を学ぶことが必要と知りました。

浅間様のブログは自分にとって、どういう方面の知識がどの程度必要かを認識する場となっています。ありがたいことです。

そもそもが「梁せいって何?」というレベルでしたので、浅間様からいただいたお返事の咀嚼にも時間がかかります。が、その時間は施主としての育ちに必要なものなのでしょう。まだまだわかっていないことが山のようにありますが、設計担当者と力を合わせて、家族のためにも、しっかりした快適な家が建てられるように頑張りたいと思います。

基礎のことも設計担当者とどうも話が通じなかったのです。これは「暗号」がわかっていないからだろうと感じていました。

さて、お礼と前置きが長くなりましたが、人文系施主の再質問にお付き合いください。

ブログ上に点在している基礎の写真を見ると、オーブルデザイン設計の基礎は人通口の幅がものすごく広いと感じます。実際のところケース・バイ・ケースなのかもしれませんが、どのくらいの幅の人通口を設けていらっしゃるのでしょうか?(500mmは軽く越えていますよね?)

あと、あれほど幅広だと、たとえば耐力壁の下に人通口を設ける場合などに柱と柱の間の長さの1/3をはるかに越えてしまうような気がします。高さ400mmの梁が地上にとれていると、これでも大丈夫なのでしょうか?

投稿: 木原 | 2016年4月15日 (金) 05時33分

木原様

>どのくらいの幅の人通口を設けていらっしゃるのでしょうか?(500mmは軽く越えていますよね?)

最低750mm~です。

>たとえば耐力壁の下に人通口を設ける場合などに柱と柱の間の長さの1/3をはるかに越えてしまうような気がします。


基本は耐力壁下に人通口をもうけることはNGです。
構造計算で根拠があれば耐力壁下を人通口にできます。

>高さ400mmの梁が地上にとれていると、これでも大丈夫なのでしょうか?

「これでも」という言葉は技術者には不思議に聞こえます。全て一定の基準を超えて安全であることが計算によって確かめられております。計算方法が間違っていればNGですが。

木原様はそんな事はないと思いますが、
過去多くの方が設計担当者さんを飛ばしてご自分で指示したりして所謂「木をみて森を見ない」事になってしまっております。無論細部も大事ですが全体の中の一部であるので、設計ご担当者(建築士)さんが決まっていらっしゃるならその方に具体的な構造の事は聞かれた方(任した)がよいと感じたことがありました。

投稿: | 2016年4月15日 (金) 09時14分

示唆に富むお返事ありがとうございました。

> 過去多くの方が設計担当者さんを飛ばしてご自分で指示したりして
> 所謂「木をみて森を見ない」事になってしまっております。

おっしゃる通りだと思います。

コスト、敷地、地域環境、構造、性能、快適性、意匠性、家族構成‥‥色々な要素をバランスよく判断して、うまく着地点を見出して下さるのがプロである建築士の方のお仕事の、(施主から見ると)中核部分だと思います。

そのバランス感覚そのものは、施主はもう信頼するしかありません。

ただ施主が建築士を信頼することは、その建築士に一か八か賭けるのとのは違うはずで、施主は施主で努力して自分の要望を明確にしないといけないですね。ですが、これが意外に難しいもので‥‥。建築士の提案に「うーん、ちょっと思っていたのと違う」と言いたいのだけれども、どこがどう違うのかうまく伝えられないことも再々。

建築士の方々は根拠があっての提案をなさっているわけで、「これがベスト」と言われると、言いたいことも曖昧な施主は言葉を呑み込む、というか自分の感じた違和感をなかったことにするしかなかったり‥‥。

それでも勇気を振り絞って、おそるおそる「ここはこうはなりませんか?」と尋ねてみると、「それはできません。基礎がこうなっていて‥‥」と(きっと精確な)説明があるのですが、半分くらいはわかったような、わからないような‥‥。

途中経過で色々と不安はあっても、案ずるよりも産むが易しで、実際に住んでみると「ああ、〇〇さんにお願いしてせてよかった」と思えるのかもしれませんが‥‥施主にとって家づくりはやっぱり最後は賭け‥‥ということになるのですかね。(吐息)

投稿: 木原 | 2016年4月16日 (土) 19時34分

木原様

>施主にとって家づくりはやっぱり最後は賭け‥‥ということになるのですかね。(吐息)

わかります。そのお気持ち・・・。

ただ確率の悪い掛けではありません。
家造りは自分の合わせ鏡のようなものと思っております。

家造りは自分で選択できるもの・・・そして人は何かを選択するときに自分にとって都合の良いと思われるほうを、意識、無意識問わず選んでいると思われます。その大きな選択をするときには、自身の全てのセンサーを使って今まで経験した事象を元に分析しているはずですから、選択されたそれは自分自身があらわれたそのものではないかと考えております。

家は殆どの人が自分だけで作る事ができないので、誰かの力を借り、ある程度その選択者に「託す」ことが多いでしょう。その託す部分が掛けなのでしょうね。

投稿: オーブルの浅間です。 | 2016年4月17日 (日) 06時31分

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