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2016年1月27日 (水)

研究者、技術者で大切なこと 

161262119471660.1mm以下の世界。家の設計者もこんなミクロ知識が必要か?

これは乾燥したミカンの皮の100倍拡大です。人の目では見えない物を覗くのは、大人でもワクワクします。

研究者や技術者は、

原因と結果を考える時に・・・
結果に影響を与える原因の拾い出しが十分であったか、原因が時間の経過で変化しないかを考える事
は基本中の基本です。しかしアンダーラインの部分は見落としがちになる事が大変多いです。

今回は原因が時間の経過で起きたことを知りました。それは最近ハマっている

「カビ」

の事です。

一般的に天然素材は、空気中に蔓延している分解者「カビ」に対抗できるように、何らかの防かび物質を内包しております。ですので容易にカビが生えないのです。一般的に知られている天然由来の防かび物質は、

テルペノイド
リグニン
フラボノイド
芳香族化合物
精油成分
抗菌性色素

が有ります。
これらを木は持っているので多少湿気っぽくてもカビは容易に生えません。しかしこれら防かび物質も化学物質である以上時間と共に化学変化し、防かび物質がなくなり、終いにはカビにおかされる事になります。室内の木は太陽光(紫外線)があたりにくいのでその変化は緩く、防かび性は数十年も維持出来ます。

しかし・・・
その短時間で防かび物質が破壊され又はよりカビの生育環境を維持し易くなる(高湿)とカビは短時間で木をおかします。例えば常時水が掛かる部分であったり・・・埃が積もったりして他成分が付着すると直ぐにカビることになります。

この埃・・・が今回の時間と共に変化する原因だと突き止めました。

Dscf1141天然無垢材(米ヒバ)の事務所打ち合わせテーブル。

事務所には大きな米ヒバで出来た無垢の打ち合わせテーブルがあります。一部オイル拭き取りがされており、その部分でカビを発見しました。それは普段は掃除も触る事もない・・・上写真の一番左奥の僅か3cmの隙間部分です。

Dscf1100隙間部分にカメラを突っ込み上から撮影

上から見ると斑模様になっているのがわかります。これってカビかも?

Dscf1100_2接写すると・・・

アップすると・・・
もうワクワクが止まりません。
埃と同じ部分の真下だけ黒く色がついております。
ああーやっぱり!

埃が原因となって生える部分をカビがまず造る・・・

しかしまだ違う事もしれません。

ただ埃の色素が木に移っただけかも・・・

そこでこの部分を顕微鏡(ルーペ)で拡大します。

先ずは比較の為にカビの生えていない綺麗なテーブル上を見ます。

161262059102330倍以上で撮影。カビが無いと思われる綺麗な部分の木の表面。

うーーん。綺麗です。オイル拭き取りの成分が光っていますが特に何か変化がある感じではありません。

一方カビらしき部分の顕微鏡(ルーペ)で覗くと(埃が写らないように指で擦ってから)、

1612621114825430倍以上で撮影。カビの生えたと思われる木の表面。

木の表皮で変化が起きております。広がり方は染みこんだ感じでは無い黒いシミ・・・

間違いなくカビでしょう。しかも指で取り除いた埃(繊維)の真下ということがよくわかります。

1612617441274250倍以上で撮影。カビの生えたと思われる木の表面。

更に拡大・・・ほぼ間違いありません。

何か最近は家の設計をしていなくてこんなことに興味しんしん。スタッフは図面仕事をしないで何しているのだろうと思っているはずです。

しかしこれで自分のカビストーリーが間違いなかったことを確信しました。

室内の木は普段の環境ではカビは生えにくいのですが、埃が溜まるとそれがトリガーとなりカビが生え始める。

一度カビが生えると胞子を造り、次に環境が整った時に一気に増殖できるように待機している・・・。

床下エアコン暖房において私共は、

空調空間として使う床下は時間と共に変化してゴミや埃、虫の死骸が蓄積するから綺麗ではない。掃除できるように床下を高く取る。しかも夏季には通風もしない。

これは大変理にかなっております。また、夏季の通風を止め7月から8月は最低でも除湿冷房するということもここから間違っていないことがわかります。時間の経過を普通は見落とし、今が綺麗だからそのまま続くと考える・・・間違いです。

床下を空調空間とすれば、その空気は室内に積極的に入ります。また埃も同様に床下にはいり、10年~20年もすれば木や断熱材の上にチリは積もるでしょう。その時、カビが生えやすい湿度75%以上になっていれば、普段は素材の防かび物質で防いでいたカビ発生を防ぐ事ができずに床下内、間仕切り壁内、1階天井裏にカビの発生を許す事になります。

実は今回の件は「西裏館の家Sさん」との会話がきっかけでした。屋外の木に生えるカビの説明は、

防かび物質が紫外線で破壊され、容易にカビの生える環境になる・・・しかし紫外線の少ない室内の木には何時はえるの?

Sさんは
「原因の拾い出しが少ないように思われる、例えば「埃も要因では」との一言。私もそうは思っていましたが屋外で埃は多くないだろうなと思っており、でもこの言葉が心に何時も残っておりました・・・。

そこに偶然今回この場所を見付けてしまったのです。

Sさんにはこの場を借りてお礼申し上げます。感謝しております。

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カビ 通風」カテゴリの記事

コメント

黴?かび?生物にとって、とても深い関係があり、無くてはならない微生物なんだね。感心して、読ませて貰ってます。

投稿: 安爺 | 2016年1月28日 (木) 11時39分

安爺様

 コメントありがとうございます。

46億年の地球を一年に例えると、
カビは9月頃生まれ、
人は12月31日の23時36分に猿人として初めて誕生した事を考えると、地球号にとってカビは大々先輩で、単なる毛嫌いではすまされない・・・

そのように感じます。
が・・・住まいにはいてほしく無い事も事実で、でも実際いなくなると、トータルバランスが崩れウイルス又は細菌が繁殖するのでしょうね。

投稿: オーブルの浅間です。 | 2016年1月28日 (木) 13時01分

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