« 想定外は必ずあるので安全率 その1   壁内結露 | トップページ | 冬タイヤの方が静かな「風」の夏タイヤ。 »

2016年1月10日 (日)

想定外は必ずあるので安全率 その2  室内結露と換気

2016年1月11日加筆

高気密高断熱の家は乾燥すると言われておりますが、「緑の家」は湿度が上がりすぎる事があります。

基本的には風呂はCFですが・・・湿度調整には予備に計画してある排気用換気扇が活かされます。

超高断熱で高気密の「緑の家」は、全熱交換型換気システム(個別式)が標準で、こちらとお風呂のCF、そしてトイレの局所換気にする事で(つまり普通換気)、実質24時間換気のほぼ65%分の換気が全熱交換機をとおり湿気の交換をして室内に湿気を戻します。

「えっ・・・何を言っているの?」
「全熱交換気システムなら換気量の全てを熱交換するのでは?」

いいえ違います。この辺りは専門家でも間違った認識があります。

まず今回の全熱交換換気と一般的な顕熱交換換気の違いをサラッと説明。

全熱交換換気とは空気の熱と空気中の水のガス(蒸気)まで交換して換気を行える方式で、顕熱交換換気とは空中の熱のみ交換して換気をする方式です。

よって全熱交換換気は水のガス(蒸気)がとおり抜けることのできる微細な穴が開いている材料を使います。このナノレベルの穴が大きいと匂い分子までとおり抜けることが出来るので、これが嫌われ殆どの全熱交換換気システムは、トイレの換気を除外して別ルート(熱交換無し)で行っております。またお風呂の換気も入浴前後の「湯気」※が熱交換素子を痛めるとのことで別のルートで換気します。煙りや湯気の多いキッチンの換気も言わずもがなで、別ルートで換気します。※湯気とは湿気と違い液体の水が空中で結露した霧のようなものですが、湿気は前に説明したとおり目には絶対見えない水の分子状態のことです。

つまり・・・巷では全熱交換換気システムと別ルート普通の換気システムが同居しているのが一般的です。しかしオーブルデザインの「緑の家」では排気量の多いお風呂とトイレの換気を見直し、風呂はCFで、トイレは5分のセンサー換気扇で対応する事によって、65%の換気が熱交換換気システムを通ってくる空気となるのです。

では普通の全熱交換換気システムにすると・・・実は30~50%の空気しか熱交換換気された空気にすぎません。となると折角の湿気が半分以上捨てられ、そして蒸気の発生源のお風呂の空気さえ捨てているので、普通の高気密高断熱の家は全熱交換換気でも乾燥しすぎるのです。

顕熱換気は風呂もトイレも他の換気と同様に同じルートで扱うことが出来るので、本州以南では最も多く使われる換気方法ですが、夏の空調時には多くの熱を家の中に侵入させるばかりか、流行の高温低湿空調には向かない換気方法です。

昨年完成した数件の家で、窓、窓枠に若干の結露がが発生したとの報告を受けました。この時の室内相対湿度50%前後・・・この湿度では現時点の国産の樹脂サッシ窓枠では結露します。特に北から西側の強い風を受けるところでは、表面熱伝達率が上がり窓枠の温度も下がります。そもそも、室内が23度ありしっかり換気している普通の高気密高断熱住宅では・・・湿度が40%を超える事はないので結露はしません。ところが「緑の家」は上のとおり換気システムを工夫しているので湿度を50%にする事も出来ます。

さて・・・冬に湿度を下げるのは簡単で換気量を増やせばよく、この時直ぐに湿度を下げる事ができるのがお風呂の本来必要の無い排気用換気扇です。普通はCFで排気用は使いませんが、このCFをOFFして排気用に切り替えます。「緑の家」排気用は普通のユニットバス換気の倍近い風量を使っておりますから数時間で湿度が下がります。

このお風呂の大排気用換気扇が室内結露に対する安全装置になります。安全率では表現できませんが、お風呂排気用換気扇だけで110m3/h品を使いますますから2倍近い安全率になるかも?このシステム、既に5年の実績もあり安定感も増している「緑の家」のCFを使う換気・・・よい換気設計と自画自賛です。

 
参考で・・・

「緑の家」 (トイレ2箇所)
30坪で4人家族の時の熱交換換気扇 20m3/h×4箇所×24h=1920m3/日
トイレ 86m3/h×1.5h/日(1日5分が18回)=130m3/日
お風呂 0m3/日 CFを使用
キッチン 300m3/h×1h/日(朝20分、夜40分)=300m3/日
漏気(C値0.4cm2/m2で温度差20度の家)600m3/日
合計 2950m3/日
  全体に対する熱交換換気量は1920/2950=0.65→65%

一般的な全熱交換システムの家 (トイレ1箇所として)
30坪で4人家族の時の熱交換換気扇 20m3/h×3箇所×24h=1440m3/日
トイレ 45m3/h×24h/日=1080m3/日 熱交換の代わり1個分
お風呂 75m3/h×24h=1800(1200)m3/日 UB純正を使用
キッチン 300m3/h×1h/日(朝20分、夜40分)=300m3/日
漏気(C値0.4cm2/m2で温度差20度の家)600m3/日
合計 5220(4620)m3/日 総換気量が多いのは個室の換気量を大きく減らす事ができないので
  全体に対する熱交換換気量は1440/5220(4620)=0.28(0.31)→28%(31%)
 
 ( )は16時間で留めた場合

|

« 想定外は必ずあるので安全率 その1   壁内結露 | トップページ | 冬タイヤの方が静かな「風」の夏タイヤ。 »

換気 空気質 」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、興味深く読んでいます。
実は、ドームハウスに泊まりまして、

夜、湿度64%
ダイキンのエアコン28度 暖房 風量自動
風向き水平

朝 湿度74%
ダイキンのエアコン30度 暖房 風量自動
風向き水平

両方とも、外気温3度でした。

朝、リクシル PVC AL サッシペアガラスに結露あり。

窓を2箇所、(対角線上に扉と窓がある感じです)扉を2箇所開けて 換気した所

そのダイキンの空気清浄機の表示は42%まで低下しました。

これは、考え方は
どうですか? 壁は、構造材を兼ねた20cmの発泡スチロールで、モルタルを塗りスプレー仕上げらしいです。

壁内?結露もありですか?
また、木造に置き換えた場合はどうでしょうか?

投稿: 小山博行 | 2016年1月17日 (日) 22時17分

小山博行様

 コメントありがとうございます。

相対湿度50%以上ですと、国内の樹脂サッシの枠では結露をします。よって50%以上を薦めたり、50%以上の環境を造ったりしません。よってお泊まりになった家では、窓を開けないと湿度が下がらないその環境は私共の基準では大変危険です(汗)。

また・・・エアコンの設定はあまり関係なく、エアコン備え付けの温湿度計は通常あてにはなりません。。

投稿: | 2016年1月19日 (火) 12時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 想定外は必ずあるので安全率 その1   壁内結露 | トップページ | 冬タイヤの方が静かな「風」の夏タイヤ。 »