小休止話題 デシカの吸湿とは?
2015.12.16緑字加筆
水の気相を理解するのが難しい・・・。
例えばダイキンさんの家庭用デシカに出てくる吸湿とは何か?
ここが曖昧だと議論できません。
そのためにまず湿気が何であるか理解する必要があります。
ちょっとその前に・・・所謂四則演算の順番の問題です。
9-3÷1/3+1・・・って解けますか?
私は間違いました。
大手技術系の人(大人)は4割以上間違うそうで、この問題は中学入試レベルとの事。
凹みますね。
/を÷という記号だと思い込んで答えを9としましたが、1/3は3分の1という数値で答えは1が正解だそうです。
さて様々な思い込みが論理の妨げになる事があり、頭をスッキリと何時も原点に戻す事が大事だなと思います。
湿気は所謂ガス※であり、水の気相状態のことです。ガスだから通常分子レベルの事になります。ただ分子単体で存在していることもありますが、クラスターとしての性格になっていることが多いようです(この辺りはよく調べておりません)。
ここで間違いやすいのは湯気です。
湯気はガスではなく水の液相であり、大気中(窒素ガスと酸素ガス)で結露している液体の水の粒です。
※・・・ガスではあるが水は大気中では臨界温度以下なので蒸気と呼ばれる。蒸気はガスのうち臨界温度以下のガスのこと。よって湿気の特性が酸素や水素と違いガスと呼ばれない。
ガスは気相で湯気は液相・・・ここ、肝心です。よって無色トーメイの湿気など見える事はありません。初めて知りましたが湿気の含んだ大気と湿気がまるっきり無い大気、他が同じ条件なら湿気のない大気が重くなります。この事は殆どの人の感覚が逆でしょう。これは湿気が気相であることを理解していないことで起こる錯覚です。
湿気はガスでありますからこれが液相の水になるときにエネルギーを放出します。これが凝縮熱で、デシカといわれる湿気を吸湿する物質は気相の水のままそのデシカに固着させる状態です。つまり凝縮熱は原則放出しません(一部は凝縮されるので全てガスのまま固着はしていないらしい)。
固着されたガスを再び開放するにはその吸湿体を少し加熱する必要があります。デシカの場合この(パージ)温度上昇が40度~45度出来る事から従来の吸湿材であるゼオライトの70度以上より効率が急によくなったのです。パージ熱は原則気化熱ではなく固着解除のためのエネルギーです。
よってデシカは吸湿を主に利用するので湿気の移動を行う機械になります。ここは気相のまま湿気を移動する全熱交換器と同じです。
一方エアコンによる除湿は、気相である湿気から熱を奪い(加圧除熱)液相の水にかえることです。酸素と窒素の混合ガスに混じっている気相の水を液相にかえる・・・これがエアコンによる除湿になります。
デシカによる除湿の多くが酸素と窒素の混合ガスにガスとして混じっている気相の水をそのまま吸着し、その気相ののまま他の酸素と窒素の混合ガスに混じらせる事です。この辺りが湯気という物を見慣れた所からは想像し難いことになります。
吸着による湿気移動と凝縮による形態変化・・・アプローチが違うので効率も違います。多分・・・吸着の方はまだまだ伸びしろがありそうですが、エアコンの等の凝縮は、あたらな冷媒ガスが発見されない限り伸びしろは殆どありません。デシカは見えないガスの吸着技術への挑戦ですね。
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