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2015年6月26日 (金)

カビが家の寿命を決める!その2

Dscf2986屋外雨が掛からない軒裏の杉材。3年目でカビが生える。

さて、その1では・・・40年前にあまりにも木に化学物質を染みこませたり、塗ったりしてカビを防いでしまったのでその反動で近年自然素材ブームが起こり屋外を始め室内木材などにも化学的処理をしない木がもてはやされてきました。・・・とお伝えしました。



本題の前に・・・

Dscf2993芝生が美しい片貝の家

昨日、片貝の家に外壁のメンテナンスで伺ってきました。ベベルの木外壁のうち西側と南側で釘の浮きが顕著になりその対応を行ってきました。

その時に見たのが軒裏(屋根の真裏)。雨がほぼ当たらないはずなのに既にカビだらけです。

Dscf2983 遠目には木肌が綺麗に見えるが、アップで見ると

Dscf2987

屋内の化学的処理(ウレタン塗料、UV塗装)をしない自然素材と呼ばれる木はいつ頃までカビに耐えられるか・・・過去のことやこの事、築25年の拙宅での経験では30年と思われます。つまり何も対策をしなければ30年で自然素材である木にある防かび物質がなくなりカビが生えます。無論これは手で何時も触れる所では無く、壁内部や天井裏、床下、押し入れ内部のような普段見えない、触らない部分にある木のことです。

Dscn6145 右がKD材の杉柱 。左が未乾燥の杉柱。

Dscn6147こちらは右の色が薄い方が未乾燥の製材杉柱で左の濃い色がKD材杉柱。熱によって色が変わってしまう・・・だから集成材とかわりない防かび性能か?

懸念される昨今のKD材と呼ばれる柱、梁材について詳しくお話しします。

何も対策していない木では大きく2種類分かれます。一つは人工乾燥をして熱を与えた木。これは集成材や最近多いKD材の柱や梁になります。もう一つはそういった熱を与えることなくそのまま製材し使用される木です。しかしこの製材したままの木は現在殆どありません。木は乾燥させないと使えないので、乾燥させる時間を短縮させるために、釜に入れて熱を加えたり、日射にあてて乾燥時間を短縮させた物ばかりです。これがKD材のことです。昔はゆっくりと施工したので、建てながら乾燥させたり、日陰で日射には当てないようにゆっくり乾燥させました。

Dsc04781 外壁は日の当たる南側からカビは生える。東面ははまだカビはない。

日射はその紫外線などの化学的作用で木にある防かび物質を破壊し、直ぐにカビが生えます。ですので木の外壁は南側の日が当たる外壁に多くカビが発生します。カビが生えたら陽に当て乾燥させたくなりますが、実は全くの逆効果で日射はカビを生えさせることになります。

さて・・・

実は最近の木造住宅は、柱や梁に集成材は無論、無垢の木でもKD材が殆どです。KD材でない無垢の木を使っているとしたらそれはたいしたこと(笑)で、きっと数年後には木が乾燥する事でやせて気密性能が落ちますから、高性能住宅はKD材又は集成材の選択が大事なのです。

そのKD材はこの10年くらい前からようやく住宅に使われ始め、まだ比較的歴史の浅い材料で確かな裏付けは取れないのですが、この材料のカビが生える時期は同じ熱を加えた集成材に近いはずです。そうなると20年くらいで壁内部でカビが生え始め、30年目にはやっぱり古い家の匂いがするのではないかと想像します。つまりかび臭い・・・ということです。また集成材の方が場合によっては接着剤に防かび効果もあることからKD材の方が早くカビが生えやすくなるかもしれません。Dsc01089この現象が防かび物質がカビ抑制の決めるとわかる証拠写真。同じ素材なのに右したのピースだけカビが生えている。つまりこのピースは既に防かび物質がないので急激にカビが広がった事を示す。

「緑の家」では集成材を多用します。ではもっと早くからかび臭くなるのでは?と想像出来ますね。ところが「緑の家」ではカビの成長期の梅雨から秋にかけて家中空調冷房をして頂き、家全体の湿度を抑えることでカビを防止しております。このことで自然素材を自然素材のまま使ってもカビの心配は無用でカビによる家の寿命から開放される事になります。

夏だけ亜熱帯の気候になる日本において、自然素材は必ずカビが生えるのです。それを少しでも押さえ込もうとしているのがその物質が持っている防かび物質です。それが強く長く続く材がカビが生えにくい素材といわれ、それでさえ加熱や日射、雨により直ぐに分解し、流れ落ちたりします。だから日本の多くの地域では家は古くなるとかび臭くなるのです。

その匂いにふれたとき・・・「寿命かな」・・・と直感的に思ってしまいます。これはその1の冒頭で説明したとおり、本能にも似た体験上の事(カビが生えたら寿命が来たと思う)なので仕方ありません。だからカビが家の寿命を決めるのです。

※カビの増殖は風土環境によって左右される。近年都市部では土が露出していないので相対湿度が低くなっており農村部に比べカビが生えにくい。また高地(例えば長野県)の方が朝夕の低温のため日中の相対湿度が下がりカビは生えにくい。その点をしっかり理解してほしい。

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