提言10 通風はカビの危険増(新潟の基礎断熱の欠点)
2016年08月 緑字相対湿度を修正しました。
今まで9個の提言をしてきました。これで10個目・・・
提言10 通風はカビの危険増(新潟の基礎断熱の欠点)
この提言は勇気が必要です。ご批判もあるでしょうがあえて提言します。
新潟県において基礎断熱をした場合ある欠点があります。その代表例をHPに記載してありますが、その他付け加える重要な事を忘れておりました。よく言われる常識を逸脱するような事なので提言10とします。
普通は梅雨から夏季は家の中でカビが生えないように通風をしなさい・・・といわれておりますが、新潟県の「緑の家」では
「夏季の通風は基礎断熱内のカビの危険増」
です。
基礎断熱をする場合は、同時に家全体の夏期の24時間空調(冷房・除湿)もセットで行うこと。
これを実施しないと床下内にカビが生える可能性が相当高くなります。
まず事実関係のおさらいをしてみましょう。
1.カビは相対湿度75%以上で増殖が盛んになる。
2.自然素材(木)は10年はカビが生えにくい物質が残存している。
3.コンクリートは強アルカリでカビが生えにくい。
4.床下コンクリートの上にゴミがある場合はそこにカビが生える。
5.床下暖房の場合は防かび剤は使えない。
6.床下暖房は床下の空気を使う(床下空気が積極的に室内流入)。
7.カビは毎日の掃除などの表面摩擦行為で生えにくくなる。
この7項目には殆どの人が同意するでしょう。
床下空気を積極的に使わない基礎断熱だけなら基礎内に多少カビが生えてもよいかと思いますが、床下暖房(エアコン)ならカビ臭のある空気を室内に循環させたくないと思っているはずです。
一昨年前夏季の1日の平均湿度です。おわかりの通り平均では全ての日で相対湿度60%以上あります。そしてこれは1日の平均ですからこれを一時間ごとに直すと1日の半分以上でカビが活性化する相対湿度80%前後になっております。その半分が気温の上がらない夜間に集中するわけですが、基礎断熱内の床下空間は24時間気温が上がらない夜間と同じ環境=相対湿度80%であると認識しましょう。
つまり相対湿度8090%ですとほぼ13日でカビ胞子が発芽増殖できる環境ですから新潟市の夏期の外気になにも対策をしないで通風をすると自然素材はカビが発芽し増殖します。但し風の通り道で物理的に風で摩擦するような所は生えにくいでしょう。しかし基礎断熱内では風が撫でるように流れる(摩擦する)事はありません。
また自然素材を使用した場合(木や紙、布繊維、皮、タタミなど)は、その素材の抗カビ物質のある期間(木なら10年~20年)はカビの増殖は抑えられますが、皮や繊維のように一度抗カビ物質を取り去るような加工(熱処理や洗浄処理)した場合には、1年目からでもカビが生えます。これを防ぐには掃除などの物理的摩擦が必要です。
もし仮に貴方のお住まいの地域が新潟県のように、押し入れに物を入れっぱなしにしておくとカビが生える経験をしているなら、24時間空調ををしないと基礎断熱した床下内にもカビは必ず生えます。これは上のグラフで示したように新潟県の平野部が夏期に湿気がとても多くなるからで、特に通風だけで夏季を過ごすと基礎断熱した床下内は、掃除など物理的に防かび対策が取れないのでカビが蔓延します。
更に一般的に基礎断熱内の環境は押し入れの環境より悪い場合が多く、夏季に室内が乾燥していないと基礎断熱内は居室より数度温度低いので相対湿度が高くなり、相対湿度が890%を超えカビが増殖スピードが一気に大きくなります。
これら事実がわかっているので「緑の家」は
夏季の通風を薦めません(新潟の事であり他の地域は同じではありません)。もし自然素材と通風を行いたいならば・・・湿気のない北海道で生まれた基礎断熱は止めて床下暖房も中止するのがよいでしょう。
もし・・・基礎断熱・床下を使いたい、床下暖房がしたい場合は夏季(7月、8月)は通風を止めて家中24時間空調を御願いします。これが自然素材と床下空間を積極利用する条件です。
実は「緑の家」では床下にカビが生えた家が過去18年で二件あり、そのうち一件が空調しないで夏を過ごした家であり、もう一件は原因不明でしたが床下にエアコンを設置し運転したら治まりました。何れも基礎が高くよく点検出来るので発見できましたが、基礎が低かったら多分わからなかったでしょう。二件とも床下暖房はしていないので床下内にあった収納物の被害となりました。
こんな体験もしているので大きな声で批判を恐れずに宣言します。
夏季の通風はカビの危険増(新潟の基礎断熱の欠点)です。特に床下暖房をする場合に気をつけなければと強く思っております。床下に潜ってよく見たらカビだらけ・・・そんな空気で暖房していたなんて事にならないようにと思っております。
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