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2014年12月11日 (木)

換気扇フードと雪

P1000261

2年前から雪が降ったその数日後から水が玄関屋根に浸入する「緑の家」がありました。ようやくその原因が特定出来たようでほっとしております。

築9年になる「緑の家」で、ある時だけ水が玄関上(玄関戸上)に滴り落ちる現象があり、その調査を2年かけて行ってきましたが、その原因がどうもこのフードだったようです。

これは換気扇の外壁に付ける屋外フードといわれる物ですが、古くから有る定番形状です。この形状はガラリといわれる定番中の定番のフードに、外風に対し雨侵入や風侵入を抑えると共に排気効率を上げる防風板を付けたものです。ですので換気扇フードメーカーならどのメーカーも似たような形状の商品を販売しており、今回の物は三菱製でした。

Dsc03246 昨年度の冬シーズンにビニールで塞いだフード

侵入した水ですが、梅雨から秋にかけて豪雨や台風でも侵入したことがないのに、雪が数十センチ積もった数日後に水が侵入するという不思議な現象だったので、原因がこの2年間不明でした。原因となる箇所を全部確かめ、残るはこのフードでは無いかと思い昨年度の冬の終わりにこのフードをビニールで覆ってみると、雪が降っても水の浸入はなかったので、今年の雪が本格的に降る前にフードを取り替える予定で昨日その取り替えに立ち会いました。実はこの「緑の家」を施工した工務店さんは5年前になくなっており設計者で工事監理者である当事務所が対応しております。

古いフードを外すと外壁の穴が見えます。そこでカメラをその穴に入れ撮影すると・・・

P1000242

「あっ・・・水の入った痕が・・・」

P1000251みず染みが丁度フードの真下にある胴ぶちに残っていた。

P1000245

P1000260新しいフードを取付ける様子。

多分・・・こういうことでした。

このフードはバルコニーの外壁と床(1階屋根)の換気と通風を兼ねている空気の出入り口(通常は出口)の穴を、雨風から保護する屋根のようなものです。この屋根のようなものの上部は開放されており、雨なら水の浸入がないのですが雪の降った後にこのフードに雪が覆い被さるようになると、雪の一端はフード内部にまで潜り込む事で雪解け水が入って今回のような現象になったと思われます。たまたまこの侵入したと思われるフードは2階の屋根庇の真下・・・、つまり屋根の雪がこのフード上のバルコニー手摺りの笠木に落ちて載っかり、その雪の一部がフード内部に水のとおり道を造ることで多量の水が浸入したと思われます。他のフードからはこのような水の浸入した痕がありませんでした。

Dsc03252 上の雪が落ちて笠木にのっかり、そこから舌を出すようにフードへと導かれたようである。

このフードは10年前に設計指定した機種で、調べて見ると当時のメーカーのカタログにはこのフードは外部の外壁いずれでも使えると表記されておりましたが、現在のカタログでは軒下専用のフードに指定されております。メーカーに伺うと丁寧にその事を説明して頂き、新しい軒下以外に使えるフードを無償でいただくことが出来ました。このあたりは三菱さんは何時も丁寧なアフターの対応をされます。これは換気扇本体の時も同じで、他のメーカー(T社)の時はとても残念な対応された事を思い出します。良くないものはよくないと認めるユーザー対応は日本が世界に進出した高度成長時の高品質機器の原点です。そのような気質が残っている三菱さんを特に換気扇類は今後も出来るだけ使いたいと思った次第です。

P1000264 最新のフードカタログには赤矢印のように軒下内推奨とあるが、10年前にはこの表記は一切無かった。

また10年前はこのようにバルコニー手摺壁に通気換気口を付けている設計者は大変少なく需要が無かったのでしょうが、近年の瑕疵担保法が施行されてからバルコニー手摺壁の通気換気も必須になったので、より細かくカタログで注意書きをするようになったのでしょう。

既製品部品であっても、実績を重ねないとある程度完全な商品にはならないと心していたほうが、既製品の組み合わせで造る事が多い住宅は間違いがより少なくなると思って設計しなければならないと感じます。

この場を借りてご迷惑とご心配をかけた「緑の家」のオーナー様にはお詫び申し上げます。

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