«  基礎断熱と床下断熱 査読論文から その2 | トップページ | 温暖化?寒冷化? »

2014年3月20日 (木)

長期優良住宅の申請・・・超高断熱の計算

現在実施設計を行っているなかで長期優良住宅の申請をしている家があります。

長期優良住宅の申請はお勧めですが、各技術審査をする団体によって指摘や書込みする事項が違うので困ることが多々あります。

Dsc03411赤矢印のところがチェックを付けなくともよいと言われ、あえて修正液でけしたところ。ところが条件は全く同じなのに今回は逆にチェックが必要といわれた。


上の写真の申請書一面で、ここは建て主さんの署名と印鑑をもらう大事な表紙です。そこで選ぶ項目が審査する団体によって変化します。このあたり一度ではすまないところです。

現在申請中のところでは「この部分はチェック印を入れてください」と言われました。当事務所はでは長期優良住宅等の申請は延べ20棟くらいになりますが、それでも安定して書込みが出来る事は希です(無論当方の記載・判断ミスもあります)。

特に今回はもう一つの指摘・・・

Ua値※1の元になる所謂q(スモールキュー)値※2の算定部分です。

※1・・・昨年の10月に施行されたQ値に変わる新たな断熱性能の指標
※2・・・旧Q値に床面積を掛けそこから換気熱ロスを取りさったとほぼ同じ。

当事務所は5年以上前から拘ってQ値申請で長期優良住宅を取得しており、普通の業者さんのように簡便な熱貫流率※3のチェックだけの取得はしません。現在の法律ではこの熱貫流率のチェックだけでこの10月までOKですから、殆ど長期優良住宅の申請は、この熱貫流率でおこなわれるため、新たなUa値表示が施行されてから半年経過しても誰もUa値で申請する方はいないようで、私どもがある審査機関の最初の申請者となりました。こういったことは当事務所では珍しくなく、性能表示制度ができたときも一番最初にQ値で審査してもらいましたし、昨年の秋には2番目でしたが低炭素認定もUa値で申請しました。

※3・・・断熱材の組み合わせの明示

さて言われた事は・・・

当事務所のSSプランの家の外壁構成である充填断熱+外張りボード付加断熱の熱貫流率算定方法です。

C111cf_000001GWやRWの繊維系の付加断熱に必要とされる下地がいらないのが「緑の家」の付加断熱。熱橋が付加断熱にはない。そしてボードだから気密シートが必須。


上図のように外に貼る断熱材はボード状のもので、このためその断熱材を貼るには木下地がいらないので熱橋※4がないのです。「緑の家」で熱橋が存在するのは柱と間柱、筋かいですからこの部分のみ熱橋があるところとないところで按分して平均化すればよいはずです。
※4・・・熱が橋のように断熱材を通りこして伝わる部分。例えば鉄骨やアルミサッシのアルミ部分のこと。

しかし審査機関の説明は、
「マニュアルにその記載がないのでないときは完全詳細法で行ってください。つまり筋かい、間柱、柱で全ての実面積を算出し、それらの合計を出して按分するということで行ってください」

ということです。

これには納得がいきませんので審査員と延々資料見ながらFAX2度、会話1時間ほど当事務所のMが交渉しておりました。その結果当方の熱貫流率の主張がとおり無事にOKとなりました。ご苦労様です。その会話で勉強できたのが、現在のq値を算出する簡略法①では今まで別に計算していた土台や胴差し、桁の面積を別に算出しなくてもよい方法だと言うことです(しなくても良いだから、しても良いはずですが)。改めて??の新たなUa値・・・。基礎中央の熱損失は無視して、梁や桁の部分は丸めてOK・・・。旧Q値で表記すると益々よくなりそうで困ってしまいます。だからこそ旧Q値なのか、新Q値なのか、計算は簡易方法の①なのか②なのかが重要になるかも知れません。今後強制表示になるUa値を見据えて、審査の方は簡易①ではなくもっと省略した簡易②で計算してほしいなというニュアンスでしたが、オーブルでは出来るだけ細かい方が実際に即しているはずと思いますから、簡易①でこれからも申請します。審査員の方々・・・今後とも面倒ですが宜しく御願いします。

Dsc03413この表の面積比率で行えば、柱、筋かい、間柱、そして桁、土台までも全て含まれる。基礎断熱+屋根断熱では有利か?


Dsc03412赤線のところが25年基準との違い。土台や桁を別にしない方がUa値はよくなるので歓迎であるが、基準のための計算という感じで複雑な気持ち。

|

«  基礎断熱と床下断熱 査読論文から その2 | トップページ | 温暖化?寒冷化? »

超高断熱、無暖房、パッシブ、Q1、気密」カテゴリの記事

コメント

  
SSプラン普及タイプでは断熱ボードと繊維系断熱材での断熱なのですね。記事の中に「そしてボードだから気密シートが必須」とありますが気密シートの位置は旧タイプの緑の家と違い、グラスウールを使った高気密・高断熱住宅のように室内側からとるのでしょうか?
 私は旧タイプの緑の家の断熱性能向上のための改造案として室内側からの断熱材の追加(石工ボードに穴を開けセルロースプアイバーを吹きこんでみること)を考えたのですが旧タイプの気密シートの位置ですと、断熱材で室内の熱が遮断されるため、気密シートの温度が室内より低くなり、気密シートの室内側で結露を起こしてしまう危険性が考えられるので断熱材追加はやはり無理ですか?

投稿: poruko | 2014年3月23日 (日) 00時48分

poruko様

 コメントありがとうございます。

>結露を起こしてしまう危険性が考えられるので断熱材追加はやはり無理ですか?

申し訳ありません、おっしゃるとおり無理です。
柱外に使ったSプランの家では、その気密シートの位置、断熱材の厚さから内側に繊維系、紙系の断熱材は不可となります。
外側に断熱材をもう一枚貼ると、内側にも断熱材を入れる事ができるのですが・・・(そのタイプがSS標準の断熱仕様です)。

投稿: | 2014年3月23日 (日) 07時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




«  基礎断熱と床下断熱 査読論文から その2 | トップページ | 温暖化?寒冷化? »