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2014年1月24日 (金)

2013年の建築学会論文 その1 窓の遮熱の重要性を読む

Cci20140124

毎年夏に日本建築学会の論文大会があります。何時もはタイムリーに夏にご紹介しているのですが、昨年夏は気がのらなかったので見ませんでした。

最近ちょっと見て書きたくなったので少しご紹介します。

論文(無論梗概ですが)を読むって面白いですよね。

まずはこちらの論文です(このような学術発表されたものは著作権がおよばないと考え、これからは全文載せます)。

41112_2_3

こちらの論文のように実測したものは、シミュレーションと違い、条件さえ問題なければ間違いは少ないので好きです。

目的は赤線のように、断熱性以外全く同じ建物を同じ場所に作って、その違いを測定したのですが、その1は夏季の実測から得られたものを書いております。その1が有りますがその2が見当たらないので、私がその2を勝手に考察します。ですので間違いがあることかもしれませんがお付き合いください。

まずこの論文(梗概の全文)をのせます。

41112_3


41113


上の論文から・・・結果部分を抜き出すと・・・

41113_2結果の図。A棟は次世代基準の断熱旧Q値2.6でB棟は超高断熱仕様の旧Q値1.1と2倍以上の性能。窓1は樹脂とアルミの複合で窓2は窓1に更に内側に樹脂サッシのペアガラスを入れた窓。

41113_3

さて・・・このまとめ文は受け取る人が勘違いをしそうな表現です。

まずこの両方とも既に高断熱と呼ばれる建物で、断熱性が低い建物とはいえません。性能の悪いA棟であっても、東日本地域では「高気密高断熱」としてハウスメーカーが売っている住宅の断熱性能です。ですので高断熱住宅と超高断熱住宅の比較でああって、昔ながらの住宅(断熱性がない)との比較ではありません。お気をつけください。

そして・・・5.まとめの文ですが、この文は変です。

正確には・・・

「その結果、躯体の断熱性と開口部の遮熱性能を高めた住宅は、室温だけでなく室内表面温度も低くなり夏季であっても省エネルギー・・・略」

としたほうが(本文には似たような記載がありますが)、まとめを見て読み手が間違ってインプットされる事が無いでしょう。

その理由は・・・

窓1と窓2の性能は本文中にもあるとおり、断熱性能だけが違うのではなく、日射侵入率が大きく違う窓(確かに広義では断熱性ではあるが誤解を与える)であり、冷房負荷にたいし大きく影響を与えるのは窓の日射侵入率です。特に今回の目的の一つである冷房負荷は、普通の窓の断熱性なんてほぼ関係有りません。これはQ値計算とμ値計算した事があればわかります。

その裏付けは・・・グレーの色の四角二つを見てください。
断熱性能がA棟とB棟でQ2.6とQ1.1と2倍も違うのに、窓が同じものならば間欠冷房時の負荷エネルギーは全く同じくらいですね。特にピンク色の条件(両建物とも日射侵入率の高い窓を使用したとき)では、断熱性能が悪いA棟の方が負荷エネルギーが少なくなります。ここがまとめと違う結果です。連続冷房時でようやくB棟のほうが冷房負荷がすくなります。ここから、一般的なエアコンの使い方として断続冷房が多い巷では、やはり断熱性能が高いと若干冷房負荷が大きくなると言えます。窓の日射遮蔽をして初めて断熱性能が高い超断熱のB棟の負荷エネルギーが間欠冷房でも連続冷房でも小さくなります(この部分はシミュレーション)。

このように論文は見方で結果が大きく変わるような感じを受けます。この論文を見て実測結果から断熱性能が高い家ほど冷房負荷は小さく快適などと宣伝されたら怖いところです。本当は「窓の日射侵入率の小さい方が冷房負荷が小さくなり、断熱性は連続空調時に重要なファクターになる」としたほうが結果を素直に表現していると思いますが、如何でしょうか?

因みに論文の筆者はドクターでその所属をみると・・・有名大手住宅会社ですね。

また・・・さらに得られた結果からまだ面白い事がわかります。この論文関係者様には感謝いたします。

・・・その2に続きます。

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コメント

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投稿: JeffPa | 2014年2月 7日 (金) 02時35分

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