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2013年10月 8日 (火)

関川村 渡辺邸の屋根

前回の渡辺邸のブログでは、「かなしい」とは言いましたが、国の重要文化財なのでしっかりと考えがあってのこと、ですので鋼管で補強されることが最善の選択肢だったのでしょう。

Dsc01532屋根の下地材も使えないところは新しい物にかえるが、使える物は残す。屋根材は30~40年位持つので黒いカビの生えた一番奥の材はあと30年以上は耐える判断。

重要文化財なので、仮設の屋根をかけて痛んだ屋根を補修します。こうすればゆっくり直せますが、仮設の屋根が簡単にかけられなかった時代はどうやっていたのでしょうか。

改装普請中の渡辺邸は、普段見えないところや、足場まで上って見られる箇所があり、現在でしか見られない箇所は勿論、下の写真のような角度で撮すことができます。

Dsc01521下屋を支える柱は単なる脅かしで、重量は掛かっていないので、屋根が浮いたように見える。この角度は足場上からしか撮れない。

今日のお話はこの渡辺邸の屋根の話です。

主屋根は石置木羽葺屋根ですが、下屋は石なしの木羽葺屋根のようです。この違いは、主屋根はやはり風によるあおりがあるので、石を置いてその抵抗にしようと考えているのだと思います。一方風のあおりが弱い下屋は、石がないため木羽葺の綺麗な曲線でとても柔らかく美しい意匠になります。

Dsc01513シルバーグレー色になった既存の木羽。

おさらいですが・・・木羽葺の断面は上の写真のようになっております。薄い木の板(杉の3mm位の板)を最大で6cm位重ねて貼り、雨を流すようになっております。ですので、使った木羽はシルバーグレー色になっております。

Dsc01516一枚一枚烙印が押された下地材

木羽の下は、防水紙なんてありません(笑)。すぐ野地のサンギが90ピッチで打ち付けてあります。よく見るとサンギには烙印があります。平成25年度修理・・・これなら確実にいつの時代かわかります。

Dsc01540上の大きい板は仮敷きの合板。この建物に合板は使いません(笑)

木羽葺は軒先からこのように並べます。留めつけは、竹釘!

昔ならいざ知らず錆に強いチタンやSUSがある現在でも昔にならってですね。

Dsc01539下屋にさらに下屋がかかる部分。

とても不思議だったのが上の写真。なぜ数枚置きに銅板を挟み込むのか・・・。これは推測できません。

Dsc01543

あと・・・

土壁の補修の部分ですが、上と下では材質が違うようです。上は昔ながらの土壁。下はプラスターが混ぜ込んであるような質感。実際はわかりませんが明らかにその違いが見てとれます。

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