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2013年9月 8日 (日)

ヒートポンプでなくヒートムーブと呼ぶ!

またまた大提言(笑)。

時々無性にブログに書きたくなる事がある。

おっ・・・ではいつもブログを書きたくないのだな~。といわれそうであるが(笑)。

で、、、今日はとても伝えたいのである。

何か・・・。

題名のとおり、エアコン=ヒートポンプという言い方は止めて、ヒートムーブ(熱移動機器)と呼ぼう・・・と。

普通に生活している人なら、「ポンプ」といえばモーターで動く機器で、地下水をくみ上げたり、水を送り出す機器だとわかる。そして例えば100Wのポンプなら100W分の仕事をする機器と言う事まで・・・。ここである概念が頭にすりこまれる。100Wのポンプは100Wの仕事しかしない。実はそれで誤解が生まれやすいのだ。

だから私はこのポンプと言い方をを止めたい。エアコンはヒートムーブであると・・・。

Cci20130908


仮に上図のように二つの部屋がくっついていて、Aは気温30℃ありBは気温0℃だ。くっついているのでAの部屋からBの部屋へ熱は移動する。そう、熱は必ず高いところから低いところへ移動する。決して低いところから高いところへ勝手に移動はしない。これは誰もが納得する科学的な事実。

Cci201309082

さてこのBの部屋にたまたま(笑)火の塊が入った容器がおいてありそれが1000度もあった。

Cci201309083火が持てるか?って突っ込みはなし

そこで私がこの容器を持ってAの部屋に置く。私が移動に使ったエネルギーはたった1kcalだったとするが、この1000度の容器は3000kcl分の熱だったとすると、私は1kcalのエネルギーを使っただけで、低い気温のBの部屋の部屋から高い気温のAの部屋に熱を移動させる事ができた。これがエアコンによる暖房のこと。たった1kcalのエネルギーで低い気温の空間から熱を高い気温の部屋に3000kcal分移動したのだ。熱の原則からみれば絶対あり得ないこと。※

Cci201309084温度変化の数字は適当。


熱の入った容器を移動しただけ・・・この私の行った行動がエアコン(ヒートムーブ)なのである。たった1kcalのエネルギーでBの部屋に3000倍もの熱を与える事ができた。あたかもBの部屋に熱ができたように思える。

この時の効率は3000陪であり、COP3000と呼ぶ。

ここで突っ込みがはいる。

「仮に貴方が1000度の容器を火傷すること無く運べたとしても、1000度の火の塊がこのように低い気温の部屋に都合よく固まっていないだろう・・・」

そのとおりである。低い気温の場所でこの1000度の火の塊のように熱を凝縮させる事が一番大事で、この凝縮技術をエアコンのメーカーは競っているのである。決して熱運搬技術ではない。だから凝縮・圧縮=ポンプって呼びたいのだろうが、凝縮・圧縮ってなると私を始め一般の人にはわかりにくい。

ここで先ほどの大原則にもどる。

熱は高いところから低いところに流れる・・・

しかし殆どの人がこれと全く逆の体験をしている。

それがサウナ・・・

人の細胞はタンパク質でできているので、体温が40度を超えるとタンパク質が変質破壊される。しかし全ての運動する生物(人)は熱を作りだし、(何もしなかったら)人は体温が上がり続ける。それでは細胞が死んでしまうので一生懸命37度を維持しようと熱放出する。

サウナ室は気温60度以上ある。人の体が37度、すると先ほどの大原則「温度は高いところから低いところへ流れる」と真逆の熱移動がおこらないかぎり限り人は死ぬ。でもサウナ室で大量に人が死んだ話は聞かない。それは気温の60度の中で37度から60度へ熱を移動させる事ができているから。

それがヒートムーブなのであり、ヒートポンプの作用原理である。汗(水)という物質の特性を使って37度の体温から熱を奪って60度へ熱を移動させている。この汗がエアコンでは冷媒なのである。汗は体表から熱を吸い取り気体となる事で皮膚から離れ移動する。もし移動しないで肌にまとわりついていたら連続気化は途絶えて体温は下がらない。気化熱とその熱が体表から移動したので体温は37度をいじできるのだ。しかし多くの説明ではこの移動という文字が省略され、気化熱で奪われると言う説明だけになるからわからなくなる。サウナ内で体から熱を放出できたのは低温から高温へ水(汗)を使って熱を移動する事ができたからである。

だから・・・2013年の大提言2・・・

エアコンをヒートポンプと言わないでヒートムーブと呼ぼう。そうすれば100Wのポンプが100Wの仕事しかしないという概念がなく、誤解なく伝わりやすいと思うが・・・如何かな?やはり今回の提言は・・・だめですか。

※大きな系から見れば熱は常に高いところから低いところへ流れている事に変わりないし、高級な熱から低級な熱に変わり続けている。

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空調・エアコン 薪ストーブ等」カテゴリの記事

コメント

先日はありがとうございます。
heat transporter
…ではわかりづらいですよね。失礼しました(^^)/

投稿: お隣さん | 2013年9月 8日 (日) 15時07分

heat transporter ・・・実は最初は候補でした。・・・が、長すぎるのです。そのほか考えたのは
ヒートモバです。
また、トランスポーターを縮めて
ヒートラポなんて如何でしょう?

投稿: オーブルデザインの浅間です。 | 2013年9月 8日 (日) 22時05分

うーん、やはりムーブあたりが一番わかりやすいでしょうか。難しいですね。

投稿: お隣さん | 2013年9月 9日 (月) 08時55分

名付け親になる気分で、コメント頂きありがとうございます。
さあ、どうしようかな~。

・・・んっ・・・真剣に悩む必要はないか(^-^;

投稿: オーブルデザインの浅間 | 2013年9月10日 (火) 07時15分

100Wのヒートムーブの熱移動能力は100W。単純明快でいいですね!

投稿: (w | 2016年6月11日 (土) 08時03分

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