基礎コンから床下への水分放出量を推測する。
体感、経験上は一日20L以上の湿気がでるとは感じられないので、少々調べて見ると上の表題の論文が見つかりました。この論文は、旭化成建材㈱ 一坊寺 英夫らの執筆した「断熱されたコンクリート壁体の含水量変化に関する研究」H17で、プラスチック系断熱材を基礎表面に 貼ると、湿気の放出が緩やかになる事を実測した論文ですが、何も貼らない基礎を指標としております。
水分の蒸発(重さの日変化)をグラフ化するとこのようになる。赤丸が1/3程度「緑の家」ではあるが全てブランクとして推定。
まず普通基礎が打たれてからご入居になるまでに120日以上ありますからこの図の100日~200日あたりで検討しました(ここを初期の50日と間違うと8倍以上の水分量)。
論文によると材齢80日から180日までの質量変化がm2あたり1kgです(厚さ15cmの30cm角体がサンプル)。「緑の家」の基礎の表面積が300m2有るとすると、
この論文の読み取りに間違いが無ければ、
300×1kg=300L/100日ですから一日あたり3kgの水分が放出されていると思われます。つまり一日あたり5L除湿するエアコンがあればこの水分は取ることが充分可能です。更にこの実測では61面から放出になりますが、実際の基礎では、m2あたりの1/5半分くらいは外部に接していると思いますから更に少なくなるのではないかと考えております。
ですので、どんなに多くても除湿量が20L/日があれば良いと私は思うのですが、冒頭の家問答では20L/日では足りないとのこと・・・。根拠がほしいですね。
それにしても多分こんなに水分が放出されていると思っている建て主さんは少ないでしょう。初期のコンクリートって水分が結構でています。
床下暖房が標準でなかった頃は、床下内に一個以上の排気型換気扇を付けておりましたが、今は床下内に換気扇はつけません。エアコンで初期湿気を除去する考えです。
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