自然素材だけでは住宅は作れない。
初期相談があるときに何時もお話しする事があります。それは・・・
未だにおおい宣伝方法として・・・
「天然素材や自然素材で家を造ります。
だから断熱材も自然素材でビニールでできた気密シートを必要ありません」
があります。
下の説明後でもホントにこれを信じる人がいるのでしょうか?
まず、
「あなたはできれば住宅の壁を天然素材だけで作りたいと思いますか?」
と伺うと、多くの人が
「ええ、そうしたいです」
とお答えになります。
さて、
「あなたは冷蔵庫の殻(外側)を木だけで造れると思いますか?」
と問うと殆ど人が
「無理かな・・・」
と答えます。
「それはなぜですか?」
と聞くと明確には答えられなくとも
「何となく変形や隙間ができそう」
と感じていると思います。
全くそのとおりです。
冷蔵庫内外では20℃以上の温度差がある条件
今の季節の冷蔵庫とその部屋は上図のとおり、庫内は4℃で湿度が90%で庫外(室内)は24℃湿度45%くらいと言う条件は誰もが納得するはずです。
では下の図・・・
冬の住宅内外も20℃以上の温度差がある条件
↑は新潟県の冬の状況です。温度、湿度を見てください。冷蔵庫と全く同じでしょう。ただ庫内が外になり、庫外が室内になっているだけで、温度差、湿度差共に同じです。
では、話を元に戻し、再び伺います。
「あなたはこのような温度差が20℃もある住宅を自然素材、天然素材だけで壁を作れると思いますか?」
すると今度は
「何となく無理そう」
に変わります。
不思議な事に、冷蔵庫みたいに小さなものであると、正確に自然科学を考えることができるのに、住宅のように大きくなると自然科学の経験や知識が吹っ飛んでしまいます。
よく・・・
「当社の建物は断熱材も天然素材のウールや古紙(セルロースファイバー)だけで、ビニールシートは使わなくとも大丈夫です」
等豪語されている会社さんがありますが、確かにある条件では大丈夫な時もありますが、自然界では絶対あり得ない、わずか15cm足らずで温度差が20℃もあるような環境は、大気中の地上には存在しません。つまりそれに耐える天然素材は石を除いてないと言う事です。20℃の温度差は人がエゴでつく出した人工環境で、その人工環境を造るには人工物=ビニール等であることをしっかり認識すれば、ビニールでできた気密性シートを嫌う事は無いとおもいますし、必要だとさえ理解して頂けます。
小新ゼロエネの家の充填断熱はセルロースファイバー。ある条件下では気密(防湿)シートは必要ないと言われるが、「緑の家」では必ず気密シートは必須とする。
人が造った人工環境を人工素材で支える事は「自然のこと」です。
だから・・・「緑の家」は自然素材が大好きです(笑)ので、人工素材と天然素材の両方をしっかり使います。
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コメント
自論が面白すぎ
投稿: | 2015年1月18日 (日) 22時20分