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2013年1月 4日 (金)

もう設計と施工が兼用では難しいかも・・・①

Dsc09681左は19年度版で右が24年度版。22年度版があるが、若干の変更だったので当事務所にはない。

さて、先回は住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書が改変になったとの情報をあげ、近々HPのコラムの方で取り上げると言いました。しかし細かく書くと長くなり、遅くなりそうなので一番重要な「基礎」について取り急ぎサラッとふれたいと思います。

その前に「住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書」の立ち位置ですが・・・

日本の木造軸組住宅では、この本に書かれている事は良い家の最低条件と言える事について、異論のある人はいないと思います。かれこれ50年ほど前から国が監修した家の仕様書と思っても間違いなく、日本の木造住宅の性能はこの仕様書と共にあったと言える程、由緒正しい解説本です。
その本に書かれている事がこの度大きな改変があったとも言えるでしょう。

まず基礎工事の一体打ちコンクリートについてです。
この一体打ち込みについては度々全国から当事務所に問い合わせがあります。その殆どが、

「一体打ち込みできる基礎業者がいない。何とかならないか?」

です。

Cci20130104_00000 24年度の仕様書から。この仕様は既に19年度版にも記載があり、あれから5年経過していてもまだ一体打ち込みができないとは。

この仕様書には、基礎の一体化はとても重要な事で、一体化になる手段として

1.一度に打ち込まれること(所謂1回打込み)

2.打継ぎができる場合は適切な処理が必要

3.PC・・・略・・・

の3つがあり、その内1.の一度で打ち込む事が一番工事監理が簡単なので、当事務所では採用している訳です。

「えっ、難しいから基礎業者さんができなのではないのか?」

と言われると思います。しかし私ども工事監理者の立場からすれば、2.の適切な処理の確認のほうがよほど難しいのです。その適切な処理とは以前もブログで何度か取り上げておりますが

・レイタンスの除去

そして、

・打継ぎ面への散水とそのあと水を残さないこと

の監理が難しいのです。監理が難しいと言う事は、工事も難しい訳で、今まで私が口を出さないでこの2つをしっかりできた基礎業者さんは見た事がありません。レイタンスの除去と言っても何がレイタンスなのかがわからない業者さんもいます。また実際レイタンスの除去は、鉄筋が刺さっている部分ですから、簡単には除去できず、時間がかかりますし、完成すると見えなくなる部分なのでだれもやりません。

散水をしない工事は論外ですが、散水はするけれど、その水を丁寧に除去を行っている工事も見た事がありません。結果・・・一体化とはほど遠い基礎が出来上がります。

_sdi4552 ある全国規模のメーカーさんの基礎打継ぎ部分。典型的な肌別れ基礎(一体化していない基礎)。

上の写真は数年前に撮影したある大手メーカーのべた基礎のアップです。丁度この家の前で「緑の家」を造っていたのでつぶさに見る事となりました。2度打された基礎の境目から内側に溜まった水がしみ出て来ています。このくらい打継ぎ面に隙間があれば一体化とは全く言えず、中央に見える水抜き穴はいらない事になります(笑)。

次に人通口です。

Dsc01015 「緑の家」の人通口。立ち上がり高さがあるので、構造計算するとこのくらい広くとれる。これなら人の行き来が楽。

人通口とは人がメンテナンスのために通る開口部のことです。基礎は4周を基礎立ち上がりで囲まれていなければなりませんが、メンテナンスのために一部に開口部があるのが普通です。しかしその開口部が構造的に弱点になるので、その開口部は柱が910mm以下の間に原則限られます。しかしこの設計がむずかしいのです。普通の建設会社は基礎は自分の所で考えますが、その上の木造部分はプレカット屋さんで設計します。すると基礎と木造部分の構造計画に乖離ができ、適当に人通口を造っている設計者(建設会社)が今もって多く存在します。この本にはしっかりと丁寧にこの部分の計画の仕方が書かれているのにも拘わらず・・・。

Cci20130104_00004 24年度版からしっかりと記載された人通口の条件。構造計算するか、この条件を守る必要がある。

このように、たかだか木造住宅の設計ですが、されどその技術は年々木造部分にだけ留まる事はなくなっております。だから施工が主体で設計はオマケではもう立ちゆかない程、複雑になって来ております。これからは設計と工事の分離でないと良い家ができない・・・そんな気がしております。

今日の最後はこの写真で締めくくります。

Cci20130104_00003_2 24年度の仕様書から。480mmという寸法がヒント。

この写真は24年度版に挿入された写真ですが、「あれっ」と見た瞬間違和感がありました。それは・・・これは次回に。

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