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2010年7月31日 (土)

自然素材住宅でも家はバランス。安全性は最優先!

Dscn7863許容応力度設計の2008年度版ようやく買いました。←えっ今頃

この本は住宅の構造の基本的な計算の仕方が書いてある本です。一般の建築士にはバイブル本ですね。

この本の初版は左の2002年版です。当時阪神淡路大震災を受けて建築基準法が改定され、通称「青本」と言われる3階建ての仮定応力の構造計算本から左の許容応力度設計のグレー本になりました。その後6年で再び改訂し、右のグレー本になりました。

Dscn7862なんと以前の本の1.5倍の厚さ。

計算の内容も細かくなってます。去年までは改訂前の本で行ってましたが、今回認定依頼した家がこの本に沿った構造計算の検定で行うように行政から指摘を受けたので購入しました。

そもそも法律が変わっていないのに、この本が変わると構造計算の仕方まで変わります。普通に考えるとおかしな感じです。構造は家の根幹で安全性の要です。だからこのあたらしい本にそぐわない前の(初版)家の構造計算がおかしいかというとそれは違います。選べる計算の選択肢が増えたという理解です(私はズーと初版で行ってきました)。

だから以前の計算でも計算し直しても大部分は安全率が大きくとってあるので大丈夫です。

Dscn7865

この本では今年の冬にある構造設計者に指摘された基礎の接地圧分布も紹介されております。が、やはりこの本には「基礎の接地圧分布を正確に算出することは不可能に近い」とまで載っていることから、一般的にはスラブはたわみが少ない剛体で地面は固く無い(柔らかくて沈む)と見て計算する事がセオリーのようです。

まだまだ細かく見てませんが、この本をみていると、

「住宅の設計はもう工務店さんが片手に出来るようなものではない」

事がわかります。餅は餅屋です。設計はトータルバランスがわかる建築士が行う時代になりました。もしこの本があることさえ知らない人は、木造住宅の設計はしない方がよいとまで言えるかもしれません。

因みにトータルバランスとは、構造だけでなく設備、温熱環境、シロアリ対策などの耐久性のことです。本当に毎日進化する設計法についていくことは、専門として設計を行っている設計事務所でもやっとですから、工務店さんが今後設計業務を片手間に行う事は大変難しいでしょう。確かに工務店さんのHPには構造的な説明はほとんど載っていませんし、仮にあってとしても数値でない感情的な事で判断していることを自慢にしているところがあります。例えば今までの経験とか、太い柱とか・・・etc。

さて、この本を見れば見るほど「今の構造計算をしていない住宅」は安全性が担保されない怖い家です。特に以前から申し上げている仕様規定にも当てはまらない「べた基礎」は本当に大丈夫?と思います。

そういえば最近のチラシに「べた基礎だから安心」という文字がなくなっています。「やばい!」と言うことに気がついたのでしょう。でもそれって以前の建て主さんにはどう説明するの?6年以上前から多雪地域である新潟県のべた基礎は、大部分が構造計算しなければ10年保証(性能保証機構)はつけられなかったはず・・・。
またコンクリートの強度についても変更のアナウンスしているところが増えてきました。長期優良住宅を少し勉強すると耐久性からみた強度が必要です。すると今までは21N/ mm 2を勧めていたところ節操も無しに急に30N/mm2と3段階もアップです(耐久性は21→24→27→30と上がります)。構造的な変更が起きたときは何らかの説明をする事が重要だと私共では考えています。基礎の計算時の設計コンクリート強度は21N/mm2で全く十分ですが、耐久性からみると時代の流れは27~30N/mm2になります。

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