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2010年1月 6日 (水)

長く愛する住宅を造る為に① 建築士として

日本の人口が自然減となり国家として本格的な成熟期に入りました。そんな中、長期間住まいつづけられる家が求められ、長期優良住宅という名称と法律が昨年から本格運用されております。

「昔の民家はよかった。丈夫で100年位使えたし、いまも残っている民家は立派な構造だ」とおっしゃる方を耳にします。全くそのとおりです。しかしだから全てが昔と同じ構造や架構方法でよいかというと、それだけでは家の供給ができないと思います。
今も現存する立派な民家は、ある程度の財力がある人(地主)が作った邸宅がほとんどだからです。庶民が暮らしていた本当の民家は残ってません。ほとんどの人が現在は残っていない取り壊された家(借家)やに住んでいたのです。成熟期の今だからこそ普通の庶民が手にする長期間維持される家造りが求められております。

現在も際立った高いコストを掛ければ、より有能な設計者、技術者、職人を集められ、後世に残るような建物とその維持管理ができるので長期優良住宅を経てることは可能でしょう。しかしそれはほんの一握りの人にしかできません。しかし際立った高いコストを掛けなくとも、その家で人の愛情が育まれ引き継がれていけばその家は長期間存在すると私は考えていますし、そのようになるべきと考えてます。

Ehon_64バージニア・リー・バートン作「ちいさなおうち」

この絵本にはそんな想いが感じられます。家への直接的愛情ではなく、家の中で育まれ引き継がれる「愛情」は、その家を長く維持するために最も必要な事です。この想いが家から発せられるようになり、それがその家の魅力となります。全ては人の想いで引き継がれると考えてます。

さて、我々建築士にできる事はこの表紙にもありますが、庭を含め総合的にバランスをとる事です。目に見えない構造や温熱環境、維持管理しやすさのバランスを考え、計画することです。

家計画の最中は、どうしても家の内部(間取り、インテリア等)にだけ意識が集中しがちです。家は間取りと設備、仕上げ類だけではありません。私どもが基本設計するときには必ず外部とのつながりである道や緑(庭等周囲の木々や土地の環境)から考えます。
際立った高いコストを掛けなくとも、小さな家であっても長い間残っている多くの家が、緑と共にあることにお気づきでしょうか?有名な「トトロのいえ」もそうですし、近所にある100年も経過した家のそうです。庭がしっかりある家が長く存在していることが多いのです。もの言わぬ緑を大事にする心は、周りの環境や人への気遣いも同じように大事にするでしょう。その気持ちが「愛情」なのかもしれません。
 多少家が小さくとも、庭や畑、敷地に余裕があれば何とかなるものです。古民家を移築や再構築する方の全てが、庭があるところに建てます。都心の狭い庭が取れない土地に民家を造る人はいません。民家とは、それと一体のなった周囲の環境に共感するのことなのではないでしょうか。

都心のような高度土地利用必要なところは、個々に庭が無い集合住宅(借家含)がふさわしいでしょうし、事実住宅寿命が長い国でもそのような都市計画です。がしかし戸建て住宅が建てられるようなローカル地域は、庭が無ければやはりその家の寿命は長くなるとは思えません。それほど緑(庭や家の周囲の緑の環境)が重要と考えます。

次に家の構造や温熱環境、維持管理のし易さとなります。これはまた次回にお話します。

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コメント

こんにちわ。「ちいさいおうち」は私も好きな本です。丘の上のちいさいおうちである彼女が(英語版でshe)、都市化する周りの環境の変化を見ながら無事生きながらえ、孫の世代に再度家族とともに暮らせるようになるとても暖まるお話ですね。長く、暖かな暮らしができる小さな家は私の求めるものです。

投稿: kotaro | 2010年1月13日 (水) 07時31分

kotaro様
こんにちは。この本のこと・・・共感できてとてもうれしいです。
私も大好きな本です。
大切なものはとてもシンプルですよね。
私も長く、暖かな暮らしができる小さな家は求める大切なものです。ありがとう。

投稿: オーブル浅間です。 | 2010年1月13日 (水) 11時11分

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