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2008年9月 2日 (火)

自然素材と住宅、そして新潟での性能(設計 評価)

オーブルデザインでは、自然素材(天然素材)と性能の高い住宅を11年前からお奨めしていた。特に性能の内容は、安全性の要「耐震性」と快適性の要「高断熱高気密の性能」、長持ち住宅を示す「耐久性=劣化対策と維持管理対策」の3つが最重要である。

Dscn5745耐震性は、住宅性能表示で定める「等級2」が「緑の家」の最低基準としている。巷の他メーカー住宅は、以前のブログでお伝えしたとおりほとんど等級2を取ることは難しい基礎形態。「この建物は地震に強い」と口ではなんとも言えるのだろうけれど、この住宅性能評価ではごまかしは聞かない。そんな重要な住宅性能評価であるが、その新潟県での審査機関の最大手(県内ではほとんどの木造軸組み住宅がここに申請する)の窓口担当者は、なんとこの制度が始まってから数件しか申請がないと言っていた。※当事務所はたて続けに2棟申請し、当然のことながら構造の変更無しに「等級2」の評価頂いた。ちなみに等級2とは、「数百年に一度、極めて稀に発生する地震力の1.25倍によって、倒壊、崩壊しない程度」であるから、中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す。

快適性の指標となる高気密高断熱も、Q値2.0W/Km2と最高基準の「等級4」の更に25%も良い性能のお墨付きを頂いた。まあこれは当たり前。

耐久性は「劣化防止対策」と「維持管理対策」に分けられるが、いずれも「緑の家」の標準仕様で最高等級の「等級3」の評価を頂いた。この等級3は、3世代(90年)までは簡単な通常メンテナンスで維持可能という評価である。また、寿命が50年以下である建物配管類が、簡単に維持管理できるという評価。例えば配管類が床下で全て露出し、基礎内(下)に埋め込まれないなど。

ここで重要な事は、性能評価に申請した家が、いつもの「緑の家」であって特別な仕様ではないこと。←ここがポイント

最近は自然素材が流行しており、ネコも杓子も天然素材や自然素材を提案している。無論「緑の家」も多くの天然素材で造られるが、かといって他の性能が間引かれているわけではない。何事も先ずはバランス重視で、仮に家造りの重要性の順番をつけるなら、「耐震性」→「耐久性」→「快適性(高気密高断熱と天然素材)とコスト」の順番だろうと思う。やはりどんな建物でも安全性が一番重要。

※・・・耐震等級2で許容応力度による審査申請。

私の解釈であるが、設計の性能評価を受けると、仮に地震に強いと宣伝していたのに、耐震性の評価が「評価1」であると大変な問題となるのがわかっているため。また建て主さん側も、この工務店の社長さんが「地震に強い」と言っているのだから間違いないだろうと、良い方向に考えてしまうため。オーブルデザインでは年間10棟程度。しかし中規模以上の工務店さんは数多くの建物を建てるだろう。その中で年間にひとつ位は、性能評価を受けてもよさそうな気がする。

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構造、構造計算、耐震、等級 」カテゴリの記事

コメント

構造計算したから、また耐震等級が3だからといって安全性が高いとは言い切れませんね。しないよりはマシでしょうが、地震応答は地盤との絡みで一桁簡単に変わります。土木学会の「ローカルサイトエフェクト」に重大な指摘事項がありますが、建築屋さんはあまりご存じないようです。
また、許容応力度法は強度の累計的な考えに立脚していますが、剛性をも考慮しないと現実とかけ離れます。面材と筋交いの混在、スパンの異なる筋交いの混在は慎重な配慮が必要です。
これらは、住木センターHPの許容応力度設計法のQ&Aで指摘してあります。
釈迦に説法かと思われますが構造計算を過信すると足元をすくわれますよ。

投稿: tokumei | 2009年12月31日 (木) 14時30分

tokumei様

tokumei様の知識の深さには頭が下がります。
ただ構造計算等(安全確認のこと)を設計者が行う事は法律で定められており、それを「しないよりマシ」ということを簡単にいわれる事には、建て主さん側に立つ建築士として「少し乱暴な表現」と思います(2chのような表現です)。法律で定められた事をしない行為(たぶん最低仕様確認をしない又は間違っている)と法律を守りかつ義務ではないが公の評価を受けた物とを比較する事自体、立つべき場所が違ってます。
もし公の評価方法に問題があれば、tokumei様が評価機関に進言する事が建て主さんのためにもなります。

投稿: オーブル浅間 | 2010年1月 1日 (金) 21時15分

「しないよりはマシ」は些か品格に書く表現で反省しております。
構造計算をしたから大丈夫といった論調で書かれていたもので、つい「そういう単純なことではないでしょう」と突っ込みたくなってしまいました。
2ch的と受取られたら私の徳の無さです。些か楽屋話的な内容で一般の方が見たら動揺すると判断されたら今までのコメントを含めて削除して頂いて結構です。

一般の方の誤解を恐れずに私見を述べさせていただければ、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2では「中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す」とはいえない思います。性能評価の技術基準でもそうは謳っていません。ただ、崩壊はしない程度に該当すると思います。中越地震より大きい地震というのも曖昧な表現なので、中越地震の時の田麦山地区での揺れ方程度と申し添えます。

所詮、許容応力度設計は弾性範囲の挙動に基づいた設計法なので塑性域の挙動は経験則とDsを規定してやることで保有水平耐力を確保してやろうという考え方です。従ってかなりのバラツキが出ることは否めません。また、地震は動的な問題なのに、そのことが設計法を決める時に考慮されているといえども所詮は静的な解析法でなので想定外のことが起こって当たり前だと思っています。
その辺のことは日本建築学会の「建築物の耐震性能評価手法の現状と課題」2009年2月25日発行 に詳しく書かれています。木造住宅については直接には触れられていませんが大いに参考になります。

だからと言って耐震等級3くらいで設計すべきという立場ではありません。技術の限界を見極め、施主にとって何が最善かを考えて事実を誠実に伝えるべきだというのが私の考えです。耐震等級1でもまず崩壊は無いと思います。耐震等級2でも基・規準だけを頼りに設計していては耐震等級1より被害が大きくなる可能性は大いにあります。
ここまで、読み進んでいただけたなら既にお気づきと思いますが(釈迦に説法かもしれませんが)、倒壊・崩壊まで論じたいならば地震動のローカルサイト・エフェクトと動的解析および限界耐力計算をお勧めします。
ここまでやっても壊れる時は壊れるのです。Eディフェンスでの実験結果は私に言わせれば不思議なことでも何でも無いと思うのですが。

投稿: tokumei | 2010年1月 2日 (土) 05時33分

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