無塗装の木がとりもつつながり。
実は私の娘が最初の幼稚園に馴染めず(親もその幼稚園の方針は理解できない。そんなところに入れるなよと言われますが、入園してみるまでわからな かった。)退園しました。娘は幼稚園の先生不審に陥り、母の手から離れようとしません。そんな状況で途方にくれた時、この幼稚園の先生に救って頂きまし た。柵の外から園庭を親子2人(母と子)でぼーと眺めていた時に、「どうぞ中に入って見ていってください」と予約したわけでもないのにオープンに受け入れ て頂き、更に給食があまっていたので、「食べていって下さい」と気さくな言葉。事情をお話すると、「お母さんと一緒で結構ですから通ってみません か?」・・・・・「えっ!お母さんと一緒でいいのですか?」・・・・「いいですよ」・・・なんという事だろう。普通親がいることをとても嫌う幼稚園なのに (親がいると先生の権限がなくなると考えている事が多いのです)、親とずっといっしょでいいなんてと耳を疑ったそうです。そして親がいっしょに登園すると いう前代未聞の通園が始まったのです。それが5ヶ月続き、年長さんに無事進級する頃には先生不信が無くなり、娘が一人で通園できるようになりました。私達 夫婦は涙を流しながらこの最初に声をかけて頂いた先生に感謝しました。
と言うわけで何とか恩返ししたいと思って6年の月日が経ち、突然その幼稚園から電話があり「本当の木で出来た机が造りたい。力を貸して頂けないです か?」との事。無論手放しでご奉仕させて頂きたいと伝え、無塗装の木の机2つを今日製作したのです。私は、初めて木工をおやりになる方でも製作できるよう なデザインで図面を引き、その図面で材料のカットだけ家具屋さんにお願いし、穴をあけて組み立てる作業を幼稚園の先生全員で行いました。それがこの写真で す。がっちりとした部材は、長く使って頂けるように大きさを決めました。組み立てを通して、木に触れた先生方はその美麗な無塗装の木肌感動されました。使 う前にさっとくるみを潰して触感を失わない程度にすり込むそうです。私もようやく6年間ほっといた荷物を運び終えた気がします。幼稚園からお礼として美酒 を頂きましたが、本当はこちらこそありがとうございます。と申しあげました。
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コメント
この豊かな心の幼稚園は、三条のルーテル幼稚園です。親同伴という前代未聞の登園を快諾して頂いた先生方、園長(両先生とも既に退任されております)に感謝するだけでなく、広い心で理解していただいた全園児の保護者様には、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。だって、普通保護者は反対するでしょう。「どうしてあそこの子だけ・・・」と言って。しかしこの園の保護者は、ほとんどが2人目や3人目の子を園に入れている人たちであり、最初の子供を一度育てた後、2人目を育てる中で、1人目の子と2人目の子の違い子供たち個々の個性(気質)をしっかり受け止めている人たちです。つまり子供(人間)は一人一人違うのだから、人の子と家の子を単純に比較しないのです。(世界にひとつだけの花の歌詞のように)対応が特殊でもその子にあう園の方針であればそれで良しという豊かな心の持ち主なのです。そんな人たちの中で育った子供たちは本当に人の温かみに接して、最も感性がはぐくまれる時期を過ごたのではないかと思います。
投稿: オーブルデザイン浅間 | 2007年9月22日 (土) 11時26分